81話 ページ33
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五十嵐｢...山村くん。｣
すると五十嵐は少年の名を呼びながら立ち上がり、彼へ先程雄太が落とした野球ボールを投げ渡す。
A｢...！｣
五十嵐｢.....｣
ボールを受け取った山村を見て、Aは確信し、口を開いた。
A｢...藤本さん、少し...よろしいでしょうか？｣
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その後、Aは五十嵐と共に藤本一家と山村、そして甘春に辻村、小野寺、威能、広瀬を個室のカンファレンスルームへと呼び出した。
藤本父｢今度は一体何なんですか！？｣
恐らく虐待のことを追求されたのだろう、かなり苛立った様子のご主人が声を荒らげる。
A｢...私と五十嵐さんの方から少しお話がありますので...｣
そう言ってAは五十嵐へ説明を促す。
五十嵐｢...今回の直樹くんの肝臓破裂に近いケースの事例を見つけました。アメリカでボクサーが試合で肝臓破裂で亡くなるという事故がありました。｣
Aは以前に読んだ記事を脳内で思い描きながら続ける。
A｢直樹くんと同じように体表に目立った外傷は無く、そのまま意識を失い死亡...後からCTを撮ってみると肝臓が破裂していたことがわかりました。｣
甘春｢それは...直樹くんが暴行を受けた、ということ...｣
五十嵐｢...もし、一撃で肝臓に致命傷を与えることが出来たとしたら...それは恐らく格闘技の経験者です。｣
すると皆の視線は自然と藤本さんのご主人へと注がれる。
藤本父｢アンタらさ...俺が殺ったって言いたいんだろ？｣
A｢違います。｣
すぐにAが否定すると、他の面々は僅かに驚いた表情を浮かべる。
A｢...直樹くんは肝右葉全区域破裂...右側の肝臓を損傷していました。つまり、それは殴った方にしてみれば..."左手での攻撃"ということになります。｣
甘春｢左利きってこと...？｣
A｢はい。藤本さんは左手に時計をしていますので右利きですよね？｣
そう尋ねると、ご主人は｢ああ｣と言って小さく頷く。
A｢...とすると、藤本さんは当てはまらないんです。｣
するとご主人は顔を歪めて若干俯く。
藤本父｢だから言ってんだろ...直樹を早く返して欲しかっただけだ...確かに俺は直樹に手を上げた。...ただ、家族に...親子になりたかっただけなんだ...｣
藤本母｢ずっとそのこと後悔してて...この人、直樹のことホントに真剣に考えてくれてたんです...｣
Aは口を僅かに結び、目を細める。
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奏奏奏(プロフ) - リディア94さん» ありがとうございます…！大変遅れまして申し訳ありません！続編を作成致しました！ (2019年7月16日 22時) (
レス) id: 681665cbc9 (このIDを非表示/違反報告)
リディア94(プロフ) - すごくいいところで話が終わってる…ものすっごく素敵で面白い話なので、続き早くみたいです！！！更新待ってます！ (2019年7月16日 15時) (レス) id: 4cfe601cb3 (このIDを非表示/違反報告)
奏奏奏(プロフ) - あいちゃむさん» ありがとうございます！毎日少しずつではありますが頑張っていきたいと思います´`* (2019年6月29日 12時) (レス) id: 681665cbc9 (このIDを非表示/違反報告)
あいちゃむ(プロフ) - 毎回、更新楽しみにしてます！継続は大変だと思いますが、無理をなさらず可能な範囲で。。 (2019年6月29日 1時) (レス) id: a51c69fc03 (このIDを非表示/違反報告)
奏奏奏(プロフ) - 茉莉花さん» コメントありがとうございます！とても励みになります…*_ _) (2019年6月13日 22時) (レス) id: 3daaf042e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：奏奏奏 | 作成日時：2019年6月13日 20時
