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3話,―過去―《優乃》 ページ5

それは、二人っきりのときのことだった。


「良かったねA、立海大のRから好かれてて」
「……え?」


多分、普段なら「やだなぁ、からかわれてるだけだよ?」と返していたのだけれど。
その優乃の声の冷たさに私はそう聞き返すしかなかった。
さっきまでのみんなといたときの声とは違う声。


「ねぇ、立海のRって、すっごいかっこいい人ばっかりじゃない?」


……何言ってるの?
何か悪寒がした。

「かっこいい……とは思うよ、現にもててるし……。でも、かっこいい、ってだけじゃないと思う……。他にも……」
「へぇ―、そうやってみんなをわかってるつもりでいるんだ」
「わかってるとかじゃないよ、ただ、みなさんを「かっこいい」だけで片付けちゃうのは何か違う気がして……」




「そういうところがムカつくんだよ苗字A!!」
突然の大声に私はびくっ!と大きく震えた。
「……え?何……言ってるの?」


見れば鬼の形相をして私を睨んでいる優乃。
私たちは今まで何度か喧嘩をしたことがあったけど――こんなに怒っているような顔は見たことなかった。



「そ―やってあんたがあいつらを分かってるつもりでいるから優乃がR陣を落とせないのよ!!みんながAのことばっか見てるから!!邪魔なのよあんた!!」



「いい?優乃はねぇ、R陣の奴らに好かれたいの。愛されたいの。この学校にいるイケメン上位に入る人たちがみ―んなテニス部にいるんだよ?ラッキー、って思った。だってこれならうまくいけば優乃がその人達を一人占めじゃない」



言葉が……出てこなかった。
さっきまで優しかった優乃がこんなことを言うなんて……。
信じられなかった。

信じたく、なかった。



「それなのに……Aっていう邪魔者がいたからRの頭にはAばっかりなのよ?おかしくない?Aなんて優乃に比べてぜ―んぜん可愛くないしぃ、自分で鈍感キャラ作ってるしぃ」
「私……そんな鈍感じゃないし……作ってもない……優乃は何を言ってるの?」



「じゃあ、なんであいつらの気持ちに気がついてねぇんだよ」



「え?」
何かをぼそりと言った優乃だったけどよく聞こえなかった。
聞き返したときには――もう既に優乃は私を見下ろすような目付きで笑みを浮かべていた。






「あんたなんて――潰してやる」

4話,―今―《征十郎》→←2話,―過去―


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設定タグ:テニスの王子様 , 黒子のバスケ , 嫌われ   
作品ジャンル:アニメ
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遊星(プロフ) - 更新停止になってますが大丈夫ですか?もしかして体調不良で更新できないんですか?早く続き読みたいです。 (2022年6月15日 21時) (レス) id: ae3c532d92 (このIDを非表示/違反報告)
sora(プロフ) - 続きがすごく気になります!更新大変だと思いますけど、頑張ってください! (2016年12月14日 23時) (レス) id: 4b03c131ce (このIDを非表示/違反報告)
月乃 - おもしろいです!はまりました!(*´ω`*)もっと続きが読みたいです!! (2015年7月22日 9時) (レス) id: 7173addb9f (このIDを非表示/違反報告)
臨海 - すごくおもしろかったです!続きが気になります。更新頑張って下さい!! (2015年6月16日 22時) (レス) id: 3a2cb5820e (このIDを非表示/違反報告)
クラウディ - 貴方は、虐められたことありますか? (2015年2月18日 20時) (レス) id: f5e9a20af7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:テリク | 作成日時:2013年4月28日 11時

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