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カトレアはアシェルと並んで歩く。
クィディッチをしたり雑談をする生徒たちのざわめきが風に乗って聞こえる中で、二人の空間だけはやけに静かであった。
何方も何を喋るでもなくただ隣を同じ速度で歩くだけ。
ただ、段々とカトレアの足が遅くなり、アシェルの足もそれに合わせて遅くなる。
「どうしたんだ？」
ついに止まったカトレアに、アシェルも足を止めて横を見る。
カトレアはボンヤリと外で楽しそうに飛ぶクィディッチを眺めていた。
視線の先にはレイブンクローのユニフォームをまとっている同じような顔の女の子が二人。
「あの方たちも双子なのね」
「そうだね」
「仲も良さそうね」
「うん、そう見える」
「二人揃って魔法使いで、きっと同じ時にホグワーツからの手紙が届いたのでしょうね」
「多分そうなんじゃないかな」
段々と水分が混じっていく独り言のような言葉に、アシェルは淡々と返事をしていく。
しかしそれでもカトレアは俯くことなく真っ直ぐに双子を見つめていた。
「もしかして、同じ時に魔法が発現したりしたのかしら」
「さあ、それは聞いてみないとわからないな」
「あの二人は今、幸せかしら」
ついにカトレアの目から雫が零れ落ちた。
アシェルはその問いに返答することなく、ただ黙ってカトレアの顔を隠すようにローブのフードを被せてやる。
「ねえ、アシェル、あの子達は幸せになれるのかしら」
双子として生を受け、いつだって共に過ごしてきた、魂の片割れ。
でも、きっとバラバラになってしまうのだろう。
片方は魔法使いとして闇に立ち向かい、もう片方は至って普通の人間として平穏に生きていくのだ。
「カトレア…」
魔力があることを「幸せ」と言うのならば、彼女の妹の一人はきっと「幸せ」などでは無い。
アシェルは間違っても「希望を持って」等とは言えなかった。
アシェルの魔眼は魔を見るものだ。
精霊を見、魔法を見、魔力の有無を見ることができる。
彼女の無邪気な妹達は生まれた時からバラバラになる運命だったのだろう。
「いいの、いいのよ、わかっているの。あの子達のそれは決められた運命だったのよ」
カトレアが介入して変わった事実があれば未来はきっと変わるだろう。
しかしそれは生まれながらに魂に刻まれたものだ。
「どんな運命であろうとも、あの子たちは私が絶対に幸せにしてみせるわ」
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蒼月(プロフ) - 光さん» 更新遅くなって申し訳ないです。書きたい欲があるうちに書けるだけ書きます！！ (7月1日 22時) (
レス) id: 0e64f68eac (このIDを非表示/違反報告)
光(プロフ) - 更新嬉しいです！！今回のお話も良かったです。続きも気になります！ (7月1日 20時) (レス) @page13 id: c03f77c018 (このIDを非表示/違反報告)
猫助(プロフ) - すごくよかったです！続き楽しみにしています！ (6月22日 19時) (レス) @page26 id: 5b3ee7c267 (このIDを非表示/違反報告)
蒼月(プロフ) - あいさん» もちろん良いですよ！！というか、ありがとうございます！！ (2022年6月3日 6時) (レス) id: 599dfade38 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - 蒼月さん» 自分のペースで頑張ってください！！ 友達にもオススメしても良いですか？？ 友達めっちゃハリポタ好きでwww (2022年6月3日 0時) (レス) id: 4bcda9126d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼月 | 作成日時：2022年5月22日 1時
