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「•*¨*•.¸¸♬︎」
人目につかない塔の8階、開け放たれた窓から小さな歌が風に乗って溶けていく。
カトレアは窓に腰掛けて慈しみを口ずさむ。
風がカトレアと観客を柔らかく吹き付ける。
「…素敵な歌ね」
観客はたったの一人。
灰色のドレスを着たレイブンクローのゴースト、通称灰色のレディである。
「レディにそう言って頂けるなんて光栄だわ」
レディは悪戯好きのピーブスや他の気難しいゴースト達とは違い、穏やかで心優しいゴーストだ。
勿論自寮のレイブンクローの生徒には一等優しいが、他寮の生徒への対応だって他のゴーストと比べれば雲泥の差だ。
カトレアが彼女と知り合ったのも、入学して数か月の頃だった。
とある悪戯好きの扉が共に行動していたオリビアたちには見向きもせずにカトレアだけを何処かに飛ばしてしまったのである。
そこで出会ったのがレディであり、事情を説明すれば寮まで送り届けてくれたのだ。
「貴方って、不思議な人ね」
「急にどうなさったの？」
きょとんとした顔をするカトレアにレディはくすくすと笑う。
普段はまるで11歳には見えないこの少女が年相応の反応をしたのがどうにも珍しかった。
「普段は類を見ない天才。けれど時折こうして垣間見える繊細さと幼子の様な無邪気さ、そしてベールに隠された秘密。周りの人間は貴方の完璧さを見て虜になり、近しい人間は真の貴方を見てそのギャップに虜になる。ふふ、魔性の女ね」
彼女が虜にするのはきっと人間だけでない。
だってほら、わたくしにも素を見せてほしいと願ってしまうし、ちょっとだけ虐めて秘密を覗かせてはくれないかと思ってしまってもいるのだから。
「魔性の女だなんて言い過ぎよ」
「あらそうかしら、きっと貴方に近しい人は、特に彼なんてきっと思っていると思うわよ」
さっきからちらちらとローブが見えてるわよ、なんてレディが眉を釣り上げて言う。
盗み聞きしていたが故か何なのか、両手を上にあげて曲がり角から出てくる人影がひとつ。
「アシェル…」
「やあ、カトレア、そしてレディ。盗み聞きして申し訳ない。言い訳になるようだが、とても興味深い話をしているようだったから邪魔をするのも悪いと思ってね。僕自身とても気になる話題だったのもあるが」
なんてアシェルは悪びれる様子もなくいけしゃあしゃあと言う。
「それで、実際のところどうなんだい？」
「何がかしら」
「君が魔性の女か否かだよ」
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蒼月(プロフ) - 光さん» 更新遅くなって申し訳ないです。書きたい欲があるうちに書けるだけ書きます！！ (7月1日 22時) (
レス) id: 0e64f68eac (このIDを非表示/違反報告)
光(プロフ) - 更新嬉しいです！！今回のお話も良かったです。続きも気になります！ (7月1日 20時) (レス) @page13 id: c03f77c018 (このIDを非表示/違反報告)
猫助(プロフ) - すごくよかったです！続き楽しみにしています！ (6月22日 19時) (レス) @page26 id: 5b3ee7c267 (このIDを非表示/違反報告)
蒼月(プロフ) - あいさん» もちろん良いですよ！！というか、ありがとうございます！！ (2022年6月3日 6時) (レス) id: 599dfade38 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - 蒼月さん» 自分のペースで頑張ってください！！ 友達にもオススメしても良いですか？？ 友達めっちゃハリポタ好きでwww (2022年6月3日 0時) (レス) id: 4bcda9126d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼月 | 作成日時：2022年5月22日 1時
