黒い神官様と少女は相思相愛のようですよ？【ジュダル】2

59話＊ ページ37

次の場面。


最初に目の前に写ったのは、焼け野原だった。

人も建物も草木も何もない。 困惑も束の間、私の中にそこに至るまでの全ての記憶が流れ込んできた。


「う………うぁぁぁぁぁぁっ……！！！ やだやだやだやだ もうやめて！！！！ もう見たくない！」

そう、私が思い出したくない記憶。その一つが、セッタがやられていく時のことだ。

あの日、私も後方基地に残ったいた。 ダビデ達が攻めてきたときも一生懸命、戦った。

でも、力の差は明確で、最近魔法を覚え始めた私など、赤子の手を捻るように、倒された。

しかし、何かの価値があるらしく、生け捕りにされた。

その後は、ダビデに抱えられたまま、セッタがやられていく様を見ることしかできなかった。


目を背けようとも思った。 でも、何故かしなかった。 セッタの勇敢な様を覚えておきたかったからか、はたまは、何もできなかった自分への戒めかはわからない。

ただ、もう二度と大事な人を無くしたくはないと、毎日毎日遅くまで鍛練に励む日々が続いた。



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「そうだった……… 私…… 抵抗軍で……… でも、わすれているのはなぜ……？」

まだ続くのを感じる。 私は先程のことで涙がポタポタと落ちるのを必死にこらえた。

しっかり見て受け止めて、選びとるために。

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