初恋の君が知っている ~*探偵チームKZ事件ノート~*

12-B ページ45

・ 彩 side



　「若武、黒木は正しいはずだよ。

　黒木に任せようよ。」



　小塚くんは、すごい。

　場の空気が和むんだよね。



　「わーったよ。んで？」


　「7年前の美野家当主殺人事件。

　あれの犯人は…」



　ゴクリ…









.









　「涼丘百合子、だ。」



　え…。



　「ユリ!?なっ、え、どうしてっ!?」


　
　レイは、目の前の黒木くんに
　手を伸ばして、腕を掴み、フリーズ。

　上杉くんと若武は、黒木くんを凝視し、

　小塚くんと私が、互いを見て呆然。



　「ユリは実行犯だ。
　計画したのは、悠由。

　まあ、どちらにしろ…」



　レイは、黒木くんの腕から手を離し、
　懸命に耐えているように見えた。



　「罪はあることに変わりないけど、ね。」



　次々に語られる事実。

　何も受け取れないような表情で、
　レイは、それを聞いていた。



　「反論は？」



　黒木くんの問いかけに、
　私は皆を見回した。



　上杉くんは頭をかき回し、

　若武はなぜか悔しそうに、

　小塚くんはレイを心配そうに見て、

　黒木くんが艶やかな目で、遠くを見つめ、

　レイは下唇を噛み締めていた。



　「ない？」



　黒木くんの念を押すような言葉に、
　レイが重い口を開いた。



　「聞きたいことがある。」


　「ん、なに？」


　「証拠を、見せて欲しい。」



　ピクリと、黒木くんの肩が痙攣する。



　「違うの、貴和が間違いだとは思わない。」



　ただ、信じられないだけ。



　そう、レイはわざとらしく微笑む。



　「ユリは、清楚で、大人しくって、
　嘘なんてつかないはずだから。


　でも、貴和が言うなら仕方ない。

　それでも私、少しでも、ユリを信じたい。

　そんなのって、ダメ？」



　っ………。



　「貴和、私の信頼を消すために、
　証明、してくれない？」



　レイって、潔白だよね。


　私…そこまで、人を信じることってないと思う。


　でも、レイは、小学校の頃の友達を、
　こんなにも信じられる、強くて、
　最高に優しい子、なんだ。



　「黒木、教えてやれよ。」



　上杉くんが、黒木くんをせかす。



　「じゃあ…これ。」



・

12-C→←part12-A　解決！？

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