Episode126 ページ39
「お疲れ様です、安吾さん。」
「A君、また来てたんですか?貴方仕事はちゃんとしてるんでしょうね?」
ルパンに入ってきた安吾に、早速苦言を呈される。
任務開始から既に二週間程が過ぎた。
太宰と二人で飲んだ日以降、Aは隙を見つけてはルパンに足を運んだ。
たまに太宰と二人の時もあったが、あれからというもの、太宰は心中を申し込まず、Aも弱音を吐かなかった。
「大丈夫ですよ、計画は立ててます。明後日の夜のパーティーで仕掛けます。」
Aが目をつけたのは、他国の貿易商のトップから、有島同様に裏社会に根を張る政治家まで、様々な人物の集まるパーティー。
この一週間は、それに向けて着々と準備を進めていた。
「明日一回戻ってくるんでしょ?」
「はい、木村を利用しようと思ってるので。」
潜入捜査について、もう太宰達三人には隠していない。
Aは有島のセクハラや、木村になりきった振る舞いの苦痛などを三人に訴えた。
「久々に食事でも行こうよ。」
「手土産を買うって言って午後休み貰ってるだけなので、すみません。」
お誘いは嬉しいが、生憎明日は土曜日。
日曜の計画に向けての準備もある。
「そういえば、なかは「あ、Aちゃんもう十二時だよ?」
何かを言いかけた安吾を太宰が遮る。
家に加えて、明日のこともあるため、Aはそろそろ帰らなければならない。
「いけない、じゃあ私そろそろ帰りますね。」
支払いは太宰が持つと言うと、Aは礼を言って消えていった。
安吾が呆れ顔で太宰を見ると、ニコニコと気味の悪い笑みを向けられる。
「どうして教えてあげないんですか?中原君、結構前に帰ってきてるでしょう?」
中也は二週間の予定だった末端組織対立の鎮圧を一週間程で治め、二日前には帰って来た。
そのままの足で安吾の部屋まで来たが、Aは未だ任務中。
恐らくAに会いたいがために、早く帰ってきたのだろう。
「私が教える義理はない。」
拗ねた子供のようにそっぽを向く。
「妬いてるのか。」
織田の言葉に、太宰は心外だと目を見開く。
「まさか、中也なんて敵じゃないさ。」
太宰の気持ちについて、三人は既に共有済み。
安吾も織田も、驚きはしたものの、友の変化が純粋に嬉しくもあった。
「二人が一緒にいるのが気に食わないんじゃなかったのか?」
「あぁ、それはね……二人の相性が最悪だからさ。」
疎ましげな顔で太宰が放った言葉の意味を、二人は理解できなかった。
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noel(プロフ) - 星猫さん» いえいえ、ありがとうございます (2020年4月14日 19時) (レス) id: fd0be5fd69 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - こちらこそすみませんです;;更新頑張って下さいね。 (2020年4月14日 19時) (レス) id: e8084d140d (このIDを非表示/違反報告)
noel(プロフ) - 星猫さん» お誘いは凄く嬉しいんですが、今年受験生でして…。コロナのせいで今が暇なだけなので、他の方と合作は厳しそうです。誘っていただいてありがとうございます。すみません!! (2020年4月13日 22時) (レス) id: fd0be5fd69 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - あの、私と一緒に合作しませんか? (2020年4月13日 19時) (レス) id: e8084d140d (このIDを非表示/違反報告)
ぬい(プロフ) - noelさん» うれしいです! 楽しみにしてます (2020年4月11日 14時) (レス) id: 1f95c5a6f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:noel | 作成日時:2020年4月8日 17時