Episode121 ページ34
仕事終わり、安吾とルパンへ向かおうとしていたところ、森からの呼び出しがかかった。
非情にもAを置いて行く安吾を恨みながら、首領室へ向かう。
「森さん、藤崎です。」
部屋へ入ると、待ち構えていたのは森一人。
夜も遅いためか、エリスはいない。
「安吾君のところはどうだい?上手くやれてる?」
「はい。丁寧に教えて貰ってます。」
ケーキくれるし、とAが言うと、森は満足そうに頷く。
「じゃあ、そろそろ問題ないね。」
問題ない、とは何だろうか。
まだ早い気もするが、中也の出張は三日後から。
もう研修は終わりということなのか。
「急で悪いんだけど、明後日から暫く、ある人物の側に潜入してもらいたい。」
その言葉にAは背筋が伸びる。
初任務の時にしても、森はいつも急なのだ。
「既に有給中の第二秘書を拉致してある。明後日から仕事の予定だから、彼女になりすまして、対象の周辺を洗ってくれ。」
ポートマフィアの勢力範囲は裏社会だけに留まらない。
横浜の政治、経済、全てに根を張っていると言ってもいいだろう。
「欲しいのは、奴が我々を欺いて他の組織と接触を図っているという証拠。情報を握るのは本人と第一秘書のみだ。」
第二秘書を捕らえたものの、情報を持っていなかった。
そこでAを送り込むということなのだろう。
「相手もそう簡単には情報を渡さない。作戦は君に任せるが、焦りは禁物だよ。二ヶ月程までならかかっても構わない。」
二ヶ月……。
期限としては十分だ。
ただ、その間自分を殺し続けなければならない。
昔の苦痛に比べたら、痛くも痒くもない。
それに、失敗したら安吾さんにも申し訳が立たない。
「頑張ります。」
「期待してるよ。」
森の部屋を後にし、エレベーターに乗る時までには、既に頭の中で計画を練り始めていた。
まずは第一秘書を嵌める。
そのためには情報操作が必要、明日一日で全部頭に入れないと。
ふと、何かを忘れている気がした。
明後日……?
「あ、中也さんとご飯行けないじゃん。」
潜入してしまえば、最長二ヶ月。
さすがにAもホームシックを認めざるをえなかった。
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noel(プロフ) - 星猫さん» いえいえ、ありがとうございます (2020年4月14日 19時) (レス) id: fd0be5fd69 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - こちらこそすみませんです;;更新頑張って下さいね。 (2020年4月14日 19時) (レス) id: e8084d140d (このIDを非表示/違反報告)
noel(プロフ) - 星猫さん» お誘いは凄く嬉しいんですが、今年受験生でして…。コロナのせいで今が暇なだけなので、他の方と合作は厳しそうです。誘っていただいてありがとうございます。すみません!! (2020年4月13日 22時) (レス) id: fd0be5fd69 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - あの、私と一緒に合作しませんか? (2020年4月13日 19時) (レス) id: e8084d140d (このIDを非表示/違反報告)
ぬい(プロフ) - noelさん» うれしいです! 楽しみにしてます (2020年4月11日 14時) (レス) id: 1f95c5a6f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:noel | 作成日時:2020年4月8日 17時