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Episode52 ページ2

再び辺りが見えるようになった時には、男の姿も少女の姿もなくなっていた。

闇は消え、視界は何故か白く染まっている。

そして私の腕の中には、ボロボロになった男の子。

叫びすぎた私の喉からは掠れた声が洩れるだけで、言葉にならない。

叫びすぎた……?いったい何時、何処で?

「Are you…… OK?(大丈夫…?)」

私?

今にも死にそうな顔で私を見上げる男の子。

そうか、彼の頬が濡れているのは、私の涙のせい。

どうして私は泣いているの?

「I, …I'm worried… about you. Maybe… my daddy will come… for me, but…… that… will leave you alone.(心配なんだよ。…僕のことは…たぶん…お父様が迎えに来てくれるけど、……そのせいで君を…独りにしてしまう。)」

そんなことは良いの。

全部私が悪いのよ。

あなたを守れなかった。

ごめんなさい。

不甲斐ない私を、どうか許さないで。

優しいあなたは、弱いあなたは、私の生きる意味だった。

誰より強いあなたが、私の唯一の支えだった。

「You are my… hero. Don't cry ……my… beautiful and ……dear parson. ……Flee…Flee to Japan…
(君は…僕のヒーローだよ。泣かないで。……僕の…美しい、親愛なる人。……逃げて…日本へ…)」

次第に閉じて行く瞳。

待って、お願いだからまだ私を見ていて。

愛しい声で名前を呼んで。

「I'm…sor…ry. ……I…lo…ve…you.(ごめん、ね。愛し…て、るよ。)」

声にならない私の叫びと共に、私達の身体は眩い光に包まれた。

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noel(プロフ) - あやねっちさん» 嬉しいです!!ありがとうございます、これからも頑張ります (2020年4月4日 18時) (レス) id: fd0be5fd69 (このIDを非表示/違反報告)
あやねっち - 1からここまでよみました 最高でした更新楽しみにしていますね (2020年4月4日 16時) (レス) id: a393e3772d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:noel | 作成日時:2020年3月30日 9時

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