◇ 第12話＊真剣集中デコレーション ◇ ページ29
それからその子は
アタシが居なきゃやっぱ
何にもできねーなーと
嬉しそうにトレーニングルームを開けた。
「いっちょ俺と闘ってみろ」
「へ!?言うのがいきなり過ぎですっ」
「10本だ10本。おい、合図」
影浦君が言うと、またアタシが居なきゃ
本当に何にもできねーなーと声がした。
「おいぼさっとすんな。…トリガー起動」
「え、えー…トリガー起動っ」
ぐっとスコーピオンをいつも通り、
“小さい鎌みたいな形”にして片手ずつ
ぎゅっと握る。やるしかない…!
開始の合図と同時に私は下から潜り込む
様に突っ込む。
「えっ」
あれ、おかしいな。あれはスコーピオンの
筈なのにワカメみたいに伸びてる。
ずばっと突き刺されてあっさりやられた。
次の一戦も何も出来ずにぐさり。
「何だよその程度か？」「むっ」
余裕綽々といった様子で煽ってくる
のにちょっと殺意を抱く。
次は開始の合図と共にまた突っ込み片手の
スコーピオンを取り合えずぶん投げる。
その腕やられた。けど、断面から
スコーピオンを腕と同じ長さに伸ばして
鎌状にして斬りかかる。
でも防御に使ってた片手のスコーピオンが
ぱきっと音を立ててその勢いでまた
貫かれる。
これならいけるかもとやり続けたが
駄目だった。これじゃあ勝てない。
「おいおいもうちょいできねーのか？」
「ぐぬぬ」
張った押してやる。どうせ彼に奇襲が
効かないなら、何も考えず本能のまま激突
してやるんだから!
開始されて左から回り込む様に突き進む。
刃の動きは無意識に使った副作用で避け、
いつもより長めの武器で狩りにいく。
手応えはあった。だってトリオン供給器官
貫いてる。…けど、貫かれてもいる。
相討ちだ。
「ちょっとは良くなったじゃねぇか」
「そりゃ何戦かしたら。頭は付いてるので」
「はっ、なら外してやるよ!」
次はきっと勝てる。ここはトリオン無限
だから、銃とかで弾打ち放題なのと同じで
スコーピオン伸ばし放題。
なら、見よう見まねでやってやろう。
攻撃は至って単純にいつも通り。
問題は交わし方と倒すまでの抑え込み。
それさえできれば私の勝ち。
小手先の攻撃と防御、それに隠して
本命の攻撃。何も変わらない、同じ戦法で。
最後の試合開始の合図。私は手で
武器を持たず肘から長く平たく伸ばした
スコーピオンをうねうね身を囲う様に
動かし距離を詰める。
「早速パクリか。素人が!」
「どうでしょうね!」
…数秒後試合終了の合図が聞こえた。
◇ 第13話＊真剣集中デコレーション�� ◇→←◇ 第11話＊仲良しオランジェット ◇
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幽々華(プロフ) - これ普通に好き！← (2020年7月12日 1時) (
レス) id: 1e7a7481f9 (このIDを非表示/違反報告)
ルピナス(プロフ) - 鵺さん» お返事遅れてしまいすみません!ありがとうございます!まさか褒められるとは思いませんでした…! (2016年8月1日 11時) (レス) id: 82e1e84f5b (このIDを非表示/違反報告)
鵺 - イメ画すっごく上手いけど？！ (2016年7月22日 23時) (レス) id: 864fc18fb6 (このIDを非表示/違反報告)
soyon(プロフ) - ルピナスさん» 返信遅くなりました。はい、これからも頑張りましょう！ (2016年3月29日 0時) (レス) id: 07f2e5561f (このIDを非表示/違反報告)
ルピナス(プロフ) - soyonさん» soyonさんもですか!?お互い負けずに頑張りましょう! (2016年3月28日 18時) (レス) id: 82e1e84f5b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ルピナス | 作成日時：2016年3月24日 15時
