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◇ 第11話*仲良しオランジェット ◇ ページ28

何でだろう。
気味悪がらないの?
優しすぎるから?
固まってしまった私の頭にぽんと手を置く。

「…“感情受信体質”」
「え…?」と、掠れた声が出る。

「俺の…副作用。自分に向いた感情が
…刺さる。今も、刺さってる」
「あ…」

…“自分に向けられる感情が体に刺さる”
“刺さり方は人、感情によって違う”
“ほぼほぼ刺されっぱなし”
…あいつが言ってた事だ。

「だから、そのー、なんだ。めんどくさい
副作用の奴なんかざらにいんだから、
鋼だって“強化睡眠記憶”とかいう寝たら
全部覚える?副作用持ってて苦労したし…
だーもう!兎に角!んな事気にすんな!
くよくよすんなら俺にでも言っとけ!」

私はぽかんとした。だって、あのつんつん
ギザギザな影浦君が私を励ました?
夢なのかもと思ったけど、夢な訳ない。

「うん…!あは、励まされちゃった。
嬉しい、ありがとう、影浦君は優しいね」
「あーうぜー。言わなくても判るから
うぜー。どうせお前も本部だろ?…行くぞ」
「ふふっ、うん、一緒に行こ!」

凄く不器用だけど、励ましてくれて
嬉しかった。それから本部まで私は
影浦君を褒め続けてたらばかと言われて
軽く手刀を入れられた。

「あっ荒船さん居る。声かけに行こうか」
「あー…今はいい。おい、付いて来い」
「え、わかった」

私は言われるがまま影浦君に続いた。
身長高いし背中広いなー。これじゃあ
兄と妹みたいじゃ…。
私はぶんぶんと首を横にふった。

エレベーターに乗った時は何となく
緊迫した空気が漂って此方まで緊張した。

「ここだ」
「…影浦君の隊の、作戦室…?」

B級で隊があるとこんな部屋貰えるんだ。
ドアが自動!影浦君は当たり前みたいに
入っていくのに、私はどきどきしながら
そろっと入った。

「お、お邪魔しますっ」
「カゲかぁ〜?」
入ってすぐのスペースから、寝惚けた様な
気の抜けた女子の声。

「おい、部屋開けろ」

ごちゃ〜としたコタツのある空間に、
その女の子はだら〜としていた。

「…っておいカゲ!どっからその子
さらって来たんだ!?それはまずいだろ!」
「ちげー!そんな変態でもバカでもねぇわ!」
「そうじゃなかったらカゲが女子連れて
来れる訳ねーじゃん!」

ぎゃいぎゃいと昨日みたく楽しそうな
影浦君。仲のいい人にはカゲって呼ばれて
るのかな。いいな…楽しそう。

「カゲなんか置いといてコタツ入って
みかんでも食う?」「いい加減にしろ」

毒吐きあっても仲はとってもいいみたい。

◇ 第12話*真剣集中デコレーション ◇→←◇ 第10話*スイートデビルケーキ ◇



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設定タグ:ワールドトリガー , 影浦雅人 , ワートリ   
作品ジャンル:恋愛
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幽々華(プロフ) - これ普通に好き!← (2020年7月12日 1時) (レス) id: 1e7a7481f9 (このIDを非表示/違反報告)
ルピナス(プロフ) - 鵺さん» お返事遅れてしまいすみません!ありがとうございます!まさか褒められるとは思いませんでした…! (2016年8月1日 11時) (レス) id: 82e1e84f5b (このIDを非表示/違反報告)
- イメ画すっごく上手いけど?! (2016年7月22日 23時) (レス) id: 864fc18fb6 (このIDを非表示/違反報告)
soyon(プロフ) - ルピナスさん» 返信遅くなりました。はい、これからも頑張りましょう! (2016年3月29日 0時) (レス) id: 07f2e5561f (このIDを非表示/違反報告)
ルピナス(プロフ) - soyonさん» soyonさんもですか!?お互い負けずに頑張りましょう! (2016年3月28日 18時) (レス) id: 82e1e84f5b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ルピナス | 作成日時:2016年3月24日 15時

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