【ワールドトリガー】独善系、黒兎少女。【空閑遊真】

◆黒兎３羽目。　後輩◆ ページ7

　
　
｢はぁ……、疲れたぁ……｣

お金を入れて、ボタンを押し、
落ちてきたペットボトルを取る。
そこでやっと人の気配に気付いた。

｢誰……!?｣

振り返ると、何か見覚えのある白い髪の
男の子が立っていた。

｢何か用です…？｣

きっとその人を睨み付ける。
つけられてた事が不快……というより、
それに気付かなかった自分に腹立つ。

｢……｣

おい、答えろよ!みたいなツッコミを
入れたくなった。
ストレスがたまっていてイラつき易いのかな？
結構イラッときた。

｢用がないなら私を見ないで下さい……
イラッとします｣

あっまた余計な事!

｢あぁ、悪い、所で名前は？｣

｢人に名前を聞くときは自分から名乗るもの、
私は気にしませんが他の人に聞くときは
気を付けないといけません、です

私の名前は黒崎A、S級の14歳ですが
ご用ですか？｣

きつい口調になってしまった……。
怖くなって横を向いてしまった。
チラッとその人の方を見る。

｢そうか、Aか 俺はユーマ、
空閑遊真だ
強いと聞いたから気になっただけだ｣

｢……それだけなら私はもう行きます、
つまらない会話をして時間を無駄にしたく
ないので｣

あっ違う違う!そうしたかったんじゃっ、
本当は話せるの嬉しいのに!
立ち去ってしまいそうになったとき、
腕を掴まれた。

反射的に振り返ると空閑っていう人が
私の目を見ていた。

｢何、です……｣

｢A……、つまんない嘘吐くね｣

ズバッと言われた。
何で？何で嘘だって？どういうこと？

｢な、どうして……｣

頑張って出した言葉はこれだけだった。
驚きすぎてそれしか出なかった。

｢なぁ、A、意地張ってるのか知らない
けど……こんなつまんない嘘吐いてる方が
無駄なんじゃないのか？｣

｢なっ……!こ、後輩のクセに生意気です!
私はいつでも正直なのですから嘘など
吐きませんっ｣

｢また嘘吐いた、それに後輩じゃない
俺は15歳だからな｣

ここに来てまさかの告白。15歳、年上、
先……輩!?

｢なっななな……｣

｢生意気なのはそっち何じゃないのか……？｣

サッと顔から血の気が引いて背中に
嫌な汗が伝う。

｢うっ、わ、私……｣

｢まぁ俺も気にしないからいいんだけどな｣

先程までの気迫はどこへやら、抜けた顔に
なったその人は私の腕を放した。

｢し、失礼でした……すみません……｣

｢いや、いいよ｣

それじゃ、と言って空閑、先輩は
立ち去った。何か変わった人だったな……。

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