【ワールドトリガー】独善系、黒兎少女。【空閑遊真】

◆黒兎12羽目。　幻覚◆ ページ19

　
　
｢……｣｢……｣

困ったような顔をした先輩を睨む私。
空気が冷たくて鋭くて、痛い。

｢……何を、言ってるんだ？｣
｢は？私が聞きたいんですけど
幻覚でも見てるんじゃないんですか？｣

先輩は少し悩んでから、口を開いた。

｢嫌、それはないな｣
｢何でです!?｣
｢さっきから、Aがずっと……
嘘吐いてるから｣

え？嘘……？いつ？どれが？
私は事実しか言ってない……はず。

｢ぇ……？わ、わたし、わたしは、
わたしが、嘘吐いてたと……？どういう、
事です？｣

やだ。何かやだ。イヤだ。

｢さっき俺に幻覚見てるって言ったけど
……本当に幻覚見てるのはAの方、
違うか？｣

｢いや、いや……現実？どれが、現実？
あんな、あんなこんな、そんな、
いやいやいやいや、だって、現実?だよね?
どれが？あ、あれ？せ、せんぱ、い、
私の見てるどれが現実？せ、先輩、先輩｣

｢………、ごめん｣

｢ね、ねぇ、ねぇ、せせ、先輩、
震えが止まらない、です?こ、こわ、
怖い……、怖いっ!｣

ガタガタと震える。先輩は申し訳
なさそうに私を前みたいに抱きしめた。

現実、幻覚、現実現実、幻覚、現実現実。

｢せ、ぱ、もしか、して、私の現実、
全部、幻覚なの？辛いの、も、怖いのも、
いた、い、のもさ?嫌なの、全部幻覚?
お母さんとお父さん、居るの?
ここ、私の家なのかな?あれ?そしたら、
足りない……、この、トリガー、は?｣

　
　
　
　
　
　
それからしばらくの間の事は、
覚えてないみたい。



………………………………………
楽しいだけの小説と思ってた読者様が
居たらすみません。
最初っからこうなる予定でした。
ゲス作者の小説ですのでﾋﾟｮﾝ￣(=∵=)￣ﾋﾟｮﾝ

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