【ワールドトリガー】独善系、黒兎少女。【空閑遊真】

◆黒兎８羽目。　能力◆ ページ13

　
　
｢あ、おいしい……｣

頂いたどら焼は予想よりもおいしかった。

｢でしょでしょ〜？｣

栞さんは眼鏡をクイッと上げて自慢気。
すると知らない人が控えめに口を開いた。

｢あのー宇佐美先輩、この人は……｣

｢ん？あ、Aちゃん？それじゃあ
自己紹介タイムと行こ〜!｣

ダメだ、テンションがよくわからない。
玉狛って皆こういう人ばっかりなの？
と思っていたら自己紹介が始まっていた。

｢俺は陽太郎!でこっちは雷神丸だー!｣

そのカピバラ名前と姿や行動が
一致してないよな!

｢僕は三雲修、B級で玉狛第二の隊長だ｣

眼鏡の人は三雲……先輩か。

｢私は千佳、雨取千佳、私も玉狛第二
よろしくね｣

小柄な子…だけどもしかして、噂の
トリオンモンスター……？

｢ほら、Aの番だぞ｣

えっ、もうか。自己紹介嫌いなんだよなー。

｢ボーダーの、S級、黒崎……Aです、
顔だけでも覚えといて下さい｣

二人はS級!?と驚いていた。
悪かったなS級のイメージ壊して。

｢S級、といっても私は強くないです、
ここの自称実力派エリートさんや
玉狛第一の方には勝てる気もしません
黒トリガー乱用者という認識で結構です｣

｢何というか……変わってるんだな｣
｢そうみたいです｣

変わり者とはよく言われる。
けど仕方ない。私の中ではそれが
普通だから変わろうという気などない

｢でもそこそこ強いよな｣
｢そりゃ一応S級何ですから、ちょっと
頑張りましたよ、後は才能ですね｣

嘘です。かなり頑張りました。
努力の賜物です。

｢つまんない嘘吐くね｣
｢うぐっ、な、何で嘘だと……そういえば
前にもこんなことあった気が……｣
　 ｻｲﾄﾞｴﾌｪｸﾄ
｢俺は嘘を見抜くSEを持ってるからな｣

あ、SEか……面倒だな〜……。

｢あの、黒崎さん……は、SE持ってるん
ですか？｣

雨取さんがおずおずと聞いてきた。

｢そんなに怯えなくても……、私に
人を食べたりする趣味は無いですから
私は……一応、あります｣

｢ほう、何なんだそれは？｣

いや、あの、本当に聞かないで。

｢……、えっ、と……、その……｣

｢あ、わ、私は近界民が近くに来たら
解るSEを持ってるんだ｣

｢どうだ黒うさぎ!玉狛はすごいだろ!｣

｢そっそうですね、私の何かと比べ物に
ならないですよ!
言いにくいので言いません、ですっ｣

不自然だけど乗り切れたかな？
ぶーぶーと不満そうな声も上がったけど。

そうよ、こんなもの要らないもの。
……ねぇ、夢葉？

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