【ワールドトリガー】独善系、黒兎少女。【空閑遊真】

◆黒兎７羽目。　子供◆ ページ12

　
　
インターホン、押していいのよね？
いいんだよね？

玉狛支部の目の前でうろうろと
変な人みたい。

意を決して手を伸ばした時、
ガチャッと扉から人が出てきた。
……あの人は……!

｢お、A｣｢あ、空閑先輩｣

このタイミングか!と心の中で突っ込んだ。
折角頑張ろうと思ってたのに!

｢そんな所に突っ立って何してるんだ？｣

｢昨日、玉狛に遊びに来ていいって
言ってくださったので……、インターホン
押そうとしてたです!だからえっとっ｣

｢ふむ、じゃあ上がれよ、多分栞ちゃんが
どら焼出してくれるぞ｣

｢た、食べ物に釣られて来た
訳じゃないです!……頂けるなら貰いますが｣

なんやかんや、玉狛支部に入れた!
リビングみたいな所に連れてこられた。

｢ただいま栞ちゃん｣

｢あれー？遊真君、友達迎えに行くって
言ってたのに早いねーその子？
あれ、もしかして……｣

栞ちゃんと呼ばれたその人は
私の方を見た。

｢ボーダーのS級、黒崎Aですっ
あ、これ……つまらないものですが｣

私はリュックからシュークリームの
入った箱を取り出した。

｢あ!これおいしいやつだよね〜
ありがとうね〜そうだ、おいしいどら焼が
あった!取ってくるから適当に座ってて〜｣

ひらひらと手を振って栞さんは
どら焼を取りに行った。
……さっきから視線が……。

｢ゆうま、誰だこの子｣

カピバラに乗った小さい子が私を指差した。

｢あぁ、ようたろうか、Aだ｣

じっと見られると……やっぱり、
不快感というより、恥ずかしい。

｢お、おじゃましてまーす、ですっ｣

｢兎だらけだな｣

私の第一印象それですか!そうなんですか!

｢その兎全部カピバラに替えたら
結婚してやってもいいぞ｣

｢へ!?な、何言ってるんです!?
嫌ですよ兎がいいんですよっ……あ｣

何か人が増えてる……、にやにやして
見るな栞さん。
空閑先輩何ですかその顔。

｢や、えと、その……｣

｢へぇ〜Aちゃんて兎大好きなんだ〜｣

｢うぐっ、だ、だったら何が悪いのです!｣

このお子様が!と思いながら陽太郎?を
睨むと、栞さんが持ってるどら焼に
夢中だし……!

｢まぁまぁ〜どら焼取ってきたし
皆で食べよう〜｣

皆楽しそうに椅子に座っていく。
この、お子様め!

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