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†第５話 朝† ページ6
｢んっ…｣
目を開くと、見慣れない天井。
布団じゃない柔らかさと、謎の暖かさ。
｢ん〜…ふふ〜…｣
｢むぎゅっ、んー!?んんんー!んーんー!｣
急に視界が真っ暗になる。
誰かに抱きつかれた？口も塞がれる。
｢む、んっ、んんんんんんーっ!!｣
｢騒がしいな…、ったく、えんら｣
｢はぁい〜なぁにかぁ〜？｣
男の人の声…、白夜さんだ。
という事は抱きついているのは
えんらさんか。
ふにゃふにゃした声がする。
さらに抱きしめられる腕に力が入った。
この人確信犯だ。すぐにそう悟った。
｢そいつ離せ｣
｢うふふ〜…お断りぃ…｣
｢…チッ｣
舌打ちをした白夜さんは、
えんらさんの首根っこを掴んで
持ち上げた。
…、大きかった……。
｢あ〜私のゆぅちゃんがぁ〜｣
｢この娘ゆぅちゃんというのか｣
｢えっ？｣
｢あはははははっ相変わらず、
おつむが足りてないわね〜ふふふふ〜｣
そう笑ったえんらさんは、
げんこつを落とされた。
中々痛そうな音がした。
｢さっさと朝飯作れ｣
｢なぁにー作って貰っといて〜｣
｢…もう菓子を買ってやら…｣
｢わかったわ〜腕によりを
かけて作るわ〜!｣
白夜さんの言葉を遮って、
えんらさんは飛び出して行った。
しぃんと、部屋が静まり返る。
居心地の悪い空気だ。
昨日…、私がやらかしたから。
ここは、今謝るべき…だろうか？
最近まともな人付き合いをして
居なかったから、全然わからなく
なってきている。
私はぐっと手に力を入れて、
空気を吸った。
｢…っ｣
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作者名：ルピナス | 作成日時：2015年8月16日 18時
