孤児院を経営してます【歌い手】Part2

第57話 ページ20

後から気づいたことなんだけど

俺の格好がその日のままだった

吐いた血がどっぷり付いてたんだけどさ

よくもまあ子供達は引かずに見れたよね

退院する前に侑李にお世話してもらえてマジで幸せだった


『ついに退院かぁ』

い「あの医者なんだったんだろうね」

詩「結局は普通に診察して検査して」

S「もう問題ないからすぐにでも退院できるよーって」

『本当にあいつ医者だったのか？ww』


なんてけらけら笑いながら帰り道を歩く

子供達は家にいるって言ってたけどいいのかそれで


『よーっし……たっだいまーー！！ってわぁ！？』

全員「おかえりなさい！！！！！！」

『もう…俺が驚かす予定だったのに…』

天「えへへ、じゃーん！見て見て！」

『お！すごい！折り紙でブローチなんて天月くんも器用になったね』

坂「俺も見て！」

『手紙？』

坂「うんっ！」


中身を見るとまだ拙い文字で


せんせえへ
おかえりなさい
おれたちは、せんせえの返りをまってたよ
返ってきたら、わたそおと思って、かいたんだよ
おれは、せんせえのことが、大好き
これからもずっといっしょでいようね
坂田より


漢字は間違ってるし

文字は間違ってるし

何よりすごい下手くそだし

なのに

少しでも漢字で書けるようにしたかったのか

「大好き」と「坂田より」の部分だけ消し跡が目立って見える

どんなに下手くそでも

すごく嬉しかった


『嬉しいよ、ありがとう』

坂「やった！俺ね、先生につけてもらった名前だから漢字で書けるようにがんばった！」

『上手に書けてるよ』


本当はちょっと汚いけど

坂田くんにしては綺麗だと思う


ま「先生！歌おう！」

『いいよ、歌おうか』

そ「お兄ちゃん、大好きだよ」

『俺もそらるくんが大好き』

い「本当に好きなのは私でしょ？」

『どうしたのいきなり？俺はみんなが大好きだよ、侑李は愛してるだから』


ちょっとからかっただけで真っ赤にして子供達を連れて逃げていく侑李

からかいじゃなくて本当の俺の気持ちだけど

もうしばらくは侑李じゃなくていかさんかな

落ち着いてきたらまた昔みたいに愛してるって言い合えるはずだし


ろ「せ、先生…」

『ろんちゃん？どうしたの？』

ろ「だっこ…してほしくて…」

『いいよ、おいで』

ろ「わーい！ありがとう先生！」


ろんちゃんをだっこすると他のみんなまでだっこを強請ってきたw

本当にもう可愛いなぁ…

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