風の奥様は大学生2

旅行？ ページ46

今日は4人で旅行…というか…
颯来のサッカーの遠征に付き合う。
実弥、私、風花は、颯来を送り出したあとから
会場まで行く。

「すごい会場だね？広いなぁ」
人工芝のコートが何面もある。

「ここ、ナショトレの練習もするとこだから」
と、実弥が言う。
颯来が泊まる宿舎も豪華だ。
なるほど。遠征費がすごいのはこれか。

ほどなくして予選リーグが始まる
少年サッカーでも、ホストチームが全国の強豪チームを招待するカップ戦。２日に渡り試合がある。
J下部組織もいて、見ごたえある試合ばかりだ。

「ねぇ？実弥？あのチームのトップの子、すごいね」
「あの、バックの子も！今あんな動きしてたら、将来やばそうだね」

色んなチームの試合を観ながら、颯来達の試合時間を待つ。
試合予定時間に近づくとアップを終えたコーチと一緒に颯来達がコートに入ってきた。
今日は何処のポジションなんだろう……
まだフリーポジションだから、毎回違う。
ドキドキするなぁ。

「颯来は…トップだな」
実弥がじっと見ている。
え？点取り屋じゃないの！
颯来につとまるのだろうか……
「大丈夫かな…？」
「あいつなら大丈夫だろ？」
たった12分の試合だもの。
こわい……。

ピー！

始まった！
チームの子からパスされる、
あんなボール……取れるの？
すると、颯来は、しっかりボールの勢いをころし、ドリブルする。
2.3人に囲まれるのをかわし……

シュートした……

残念ながら、ゴールポストに当たり決められなかったが……

「ね…実弥？颯来いつの間にあんなトラップ出来るようになったの？」
我が息子ながら……

めちゃくちゃかっこいい！！！

「あいつ…毎日近所のグランドでめちゃくちゃ練習してるぜ？だから当たり前だ」

そうだったんだ…。
遊びに行ってばかりかと思っていた。

私の隣で
「そらー！！シュートー！キャー入ったぁ！！」
騒がしい風花。
颯来のチームは、勝利した。

でも…勝つとか負けるとかではない。
子供の成長と、無限の可能性を感じた１日だった。

「ママ、何泣いてるの？リーグ戦終わっただけで、明日が決勝トーナメントだよ？」

「うん…あんな小さかった颯来が……成長したなぁと思って……ぐす…」
涙ぐんで浸っていると…

「ちょっとママ？今からアイドルのお店に行くんだから、泣くのやめてよ？颯来の試合は終わったんだから！パパも！早く連れていって？」

「わかった。そう引っ張るなァ」

実弥と私の腕をグイグイ引っ張る風花

現実に引き戻される

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