その監督生、よく落ちる。5【ツイステ】

真実の瞳 ページ43

僕たちも談話室に長居はせず

借りている空き部屋に戻ると

ジェイド先輩が、カリム先輩と話したことを教えてくれた。


ジェイド「Aさんの推理通り

恐らく、カリムさんは誰かに魔法で洗脳され操られています。」


『自分で言っておいてあれですけど

人の精神を書き換える魔法なんて、そんな高度なもの…』


フロイド「うん、アズール並の魔力とテクがないとやれないよ。」


アズール「僕でも、自我が確立した人間を洗脳するのは難しいでしょう。」


グリム「でもでも、Aの考えだと

そのすっげぇ魔法を使えるやつっていうのはジャミルなんだろ？

アイツ、そんなすげぇ魔法を使えそうには見えなかったんだゾ。」


『…だから、気づかなかったんだよ。ここまで。

能ある鷹は爪を隠すっていうでしょ。』


僕が余計なトラウマを思い出して冷静さを欠いていたのにも原因はあるが

それより、あの人は隠すのが格段に上手い。

それこそ、人生のほとんどをそうやって過ごしていたみたいに。


フロイド「で、ラッコちゃんは本当にウミヘビくんに洗脳されてんの？」


ジェイド「いえ、そこまでは聞くことができませんでした。

洗脳魔法を使える者がいるか、それは誰なのかを聞いたのですが

「使える人は知っている。でも、昔約束したから

それが誰かは言えない」と。」


フロイド「ジェイドのユニーク魔法でもダメだったの〜？」


『ジェイド先輩の、ユニーク魔法って…』


ジェイド「フロイド。ユニーク魔法の内容を

他人に明かすのは感心しないといつも言っているでしょう。」


フロイド「えぇ〜別にいいじゃん。

だって、どうせもう小エビちゃんには"悪戯"したんでしょ？」


フロイド先輩の言葉を受け、僕の顔を数秒見つめた後

意を決したように、溜息を吐いてから

自身のユニーク魔法について説明してくれるようで

ゆっくりと口を開いた。


ジェイド「僕のユニーク魔法、『かじりとる歯(ｼｮｯｸ・ｻﾞﾊｰﾄ)』は

効果を知ればほとんどの人に警戒されてしまうのですが

一度だけ、相手に真実を喋らせることができるんです。」


『…何て魔法をかけてくれてるんですか。』


ジェイド「そう怒らないで。おかげさまで、面白いものが聞けましたよ。

ですが、一度使ってしまうと二度と同じ相手には使えませんし

魔法耐性の高い方や、警戒心の強い方には効きません。

今朝の貴方のように、心が壊れかけている肩には効果敵面のようですが。

と、このようにかなり効果範囲が限定されているんです。」

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