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切望 ページ32

安堵のあまりその場に座り込むと

目の前の双子は一瞬目を見開いて

ゆっくりとこっちに近づいてきた。


『ジェイド先輩…フロイド先輩…』


ジェイド「おやおや、どうしたのですか?」


フロイド「小エビちゃん超泣きそうじゃ〜ん。何かあったのぉ?」


グリム「や、やったんだゾ…!こいつらが居るってことは…

俺様達、ついに牢獄からの脱出に成功したんだゾ!」


「_♪♪」


作戦の成功を喜ぶように、魔法の絨毯が僕に身を摺り寄せてきた。

コイツからしたら、盗まれた立場なんだけど

無機物の思考って、人間とは違うんだろうな。


ジェイド「牢獄とは…?

というか、その絨毯は…カリムさんの魔法の絨毯に似ていますね。」


『あの、話せば長くなるんですけど…

とにかく、一つ頼みが…』


「もう逃げられないぞ、盗人どもめ!!」


安堵を掻き消す、嫌な声。

スカラビアから追ってきたであろう寮生が

モストロ・ラウンジの中に足を踏み入れてきた。

まずい、せっかく逃げたのに…これじゃあ…


アズール「君たち、こんな深夜にいったい何の騒ぎですか。」


「お前は…オクタヴィネルの寮長…アズール・アーシェングロット…!」


『アーシェングロット先輩…』


騒ぎを聞きつけ、奥から不機嫌そうな顔をして歩いてきた。

そして、僕を視界に捉えると

大体の状況を把握したように、小さく納得の声を発した。


アズール「あぁ…よく見れば、床に転がっているのは

Aさんとグリムさんじゃありませんか。

あまりに小汚いので、雑巾かと思いましたよ。」


『……けて、ください。』


アズール「…?」


『グリムだけでもいいから、助けてください…!』


アズール「…!Aさん……」


「引き渡さないのであれば、お前たちもただでは済まさないぞ!」


フロイド「…はァ?誰に向かって言ってんの?」


アズール「モストロ・ラウンジでは、いかなる揉め事も認めませんよ。」


「何だと…邪魔する気か。」


「構わん。実力行使あるのみだ!」


アズール「品のないお客様には、お引き取り願いましょう。

ジェイド、フロイド。彼らをつまみ出しておしまいなさい。」


ジェイド「はい。」


フロイド「はぁ〜い。」


殆どの生徒に取り立て屋だと恐れられているだけあって

スカラビアの一般寮生ごときでは、二人に全く歯が立たず

気づいた頃には、満足気なリーチ兄弟から

ボロボロのスカラビア寮生が

尻尾を巻いて逃げていった。


何はともあれ、一先ず助かったのだろう。

心の弱い子供→←絨毯に身を任せて



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ゆる(プロフ) - 続いてほしいです………!更新楽しみにしてます! (2022年9月24日 18時) (レス) @page47 id: 3e63e5a771 (このIDを非表示/違反報告)
きゅうり - 天才か???好きです。 (2022年4月4日 21時) (レス) @page47 id: bfccae0caf (このIDを非表示/違反報告)
ナギ(プロフ) - 更新たのしみにしてますっ! (2021年9月10日 16時) (レス) id: 2f778f3504 (このIDを非表示/違反報告)
たろ。(プロフ) - 惚れた、、、フロイドくんやっぱりすき、、、更新楽しみにしてます……! (2021年8月26日 0時) (レス) id: ba071d904f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:天空の巫女 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/TENMIKO/  
作成日時:2021年8月1日 22時

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