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ダイヤの原石 ページ17

カリム「本日はここまで!」


カリム先輩の一言で、訓練をしていた生徒たちの手が止まった。

夕食後、すぐに防衛魔法の訓練に移ったせいで

吐きそうになっている生徒が数人。


カリム「明日の午前中は、東のオアシスまで行進だ。

徹底的にしごいてやるから、そのつもりでいろ!」


『……』


まだこの地獄が終わらないことを知って、絶望する生徒が数人。

そんなの、どうでもいい。

ちゃんと熟さないと、失望される。

認められない。存在価値なんか簡単になくなる。

逆らっちゃ、絶対にダメだ。


ジャミル「A、先程から顔色が悪いが…大丈夫か?」


『…あ、いえ…大丈夫です。これくらい。

少し、疲れてしまっただけなので。』


ジャミル「そうか。ならいいが…」


グリム「それにしても、カリムの奴急にどうしちゃったんだゾ…!?」


ジャミル「あぁ…きっと、寮対抗マジフト大会や期末テストで

スカラビアの成績が振るわなかったことに

責任を感じているんだろう。

アイツは最近、酷く情緒不安定なんだ。」


グリム「情緒不安定ってレベルじゃねぇんだゾ…」


ジャミル「俺もアイツとは長い付き合いだが

今のカリムとどう接したものかと困り果てている。

言動がコロコロ変わったり、急に横暴になったり…

とにかく、手に負えない。

こうなる前は、寮生全員が寮長であるカリムを慕っていたんだが…

このままじゃ、寮生たちの不満が爆発するのは時間の問題だ。」


そんなの、言ったって仕方がないだろう。

文句なんか言わずに、怒られないように熟せばいい。

感情の起伏なんて、それには邪魔なだけ。

何も言わずに、従えばいい。

それが僕の普通だったけど

エースには、何もかも受け入れることが普通じゃないって言ってた。

もう、何が正しいのかわからないや。

ここでは、どっちが正解なんだろう。


『大変ですね、副寮長って…』


グリム「トレイの奴もリドルのご機嫌取りで苦労してそうだったんだゾ。」


『それ、リドル先輩に聞かれたら首はねられるよ。』


ジャミル「…あ…そうか。君たちこそ、ダイヤの原石なんだ!」


グリムと僕の発言に、何かを見出したように声を弾ませた。

完全に嫌な予感がする。

僕の中で正解が出るまでは、放っておいてほしいのに。


ジャミル「君たちは、いくつもの寮の問題を解決に導いた

優秀な生徒だと噂で聞いてる。」


『あはは…どうも。』


ジャミル「だから頼む。

どうか、俺達スカラビアの力にもなってくれないか。」


率直に言おう、お断りだ。

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ゆる(プロフ) - 続いてほしいです………!更新楽しみにしてます! (2022年9月24日 18時) (レス) @page47 id: 3e63e5a771 (このIDを非表示/違反報告)
きゅうり - 天才か???好きです。 (2022年4月4日 21時) (レス) @page47 id: bfccae0caf (このIDを非表示/違反報告)
ナギ(プロフ) - 更新たのしみにしてますっ! (2021年9月10日 16時) (レス) id: 2f778f3504 (このIDを非表示/違反報告)
たろ。(プロフ) - 惚れた、、、フロイドくんやっぱりすき、、、更新楽しみにしてます……! (2021年8月26日 0時) (レス) id: ba071d904f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:天空の巫女 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/TENMIKO/  
作成日時:2021年8月1日 22時

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