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難しい言葉など消え去ればいいのに ページ5

渋谷駅、喧騒の中の一角で

たった一か所、静寂に包まれた場所が生まれた。

言うまでもない。私と三郎くんである。

…というかちょっと待て。三郎くん今なんて言った?


『…こい、びと…?』


三郎「今更とぼけるなよ!

いるんだろ…ッ…遅く帰ると後が怖くて…心配、する…

アイツってやつがいるんだろ…!」


ちょ、ちょっと待ってくれ。

いや、涙を流す三郎くんを今すぐにでも抱きしめたいのだがちょっと待ってくれ。

三郎くんの言っている人物に心当たりはある、が。

そいつは恋人なんかじゃない。

というか何だこの状況。

私が三郎くんを酷い振り方したみたいな感じになってる。


『…あのさ、三郎くん。一個聞いてほしいんだけど。』


三郎「グスッ…何だよ。

もう、お前なんか好きでいたくないんだよ…馬鹿、馬鹿、バーカ。」


『語彙力が消滅してる三郎くん可愛すぎる…じゃなくてだな。

その三郎くんが言ってるあいつって、げんたろーのことだよね。』


三郎「げんたろ…って、まさか…Fling Posseの夢野幻太郎のこと…?」


『そうそう!まぁ、それは私も最近知ったんだけど。

そいつ、恋人でもなんでもないよ。

ただのスト……過保護な友達だから!』


三郎くんが眼を見開いて固まった。

と思えば、その白い肌をみるみる赤く染めていった。

何だろう。今日の三郎くんいつも以上に可愛いな。撫でていい?


三郎「へ…じゃ、じゃあ…」


『というかそもそも、私恋人なんかいないよ。』


三郎「…〜ッ……李下瓜田…!」


『え、何語?』


三郎「瓜田に履を納れず、李下に冠を正さず!

人に疑われるようなことはするなってこと!!」


『はい!すみません!!』


なんで私は謝ってるんだろう。

三郎くんは頭抱えてるし…なにこれさっき以上にカオスかよ。

というか、疑われるようなこと…したか私。

きっとしたんだろうな。心当たりが多すぎて全く見当つかないけど。


三郎「二郎の奴…早とちりしやがってあの低能…!」


『今度は二郎先輩が出てきた…

まぁよくわかんないけど、三郎くんが元気になったっぽいしいっか。』


三郎「…この鈍感。」


『元気になっても罵倒は止まらないんだね!

そういうところも好きだよ!』


今日の三郎くんは疲れているのだろう。

早く家に帰って休ませてあげたいし、私も帰るとするかな。


『じゃあね、三郎くん。また遊びに…』


三郎「…荷物。」


『ん?』


三郎「荷物、貸してください。

家まで、送りますから。」

二人を繋ぎとめるもの→←やっと会えたね私の天使



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にゃーちゃん - 初コメ失礼します!とても面白いです!更新楽しみにしてます! (2021年7月10日 12時) (レス) id: 6c3b400c86 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:天空の巫女 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/TENMIKO/  
作成日時:2021年3月20日 21時

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