ラップなんか出来ないので、拳で生き残ろうと思います 2【ヒプマイ】 (ページ3)

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今生の別れレベルで泣かないでくださいページ3

一週間というものは、案外一瞬のうちに過ぎていくものだ。

あれから、波羅夷の家に遊びに行ったり

四十物さんのライブに行ったり

獄さんの事務所に乗り込んだり(流石にこれは怒られた。)

そんなことをしていたら、一週間なんかあっという間に過ぎてしまった。

『んーッ…やっと帰れる…！』

空却「やぁっとうるせぇのがいなくなるのかよ。」

『最後までお前は憎まれ口しか叩けねぇのか赤髪チビ。

見送りまで来ておいて何言ってんの。』

現在地、名古屋駅。

新幹線の時間まであと20分程度という時間に

私は、改札付近で波羅夷たちに見送りを受けていた。

獄「春原、お前ちゃんと宿題やれよ。

あっち帰ったら、俺はもう教えてやれねぇからな。」

『文句言いながらなんだかんだ教えてくれた獄さんが好きです。

ふふん、げんたろーに自慢してやろ。』

十四「ﾋｯｸ…うっ…まッまた何かわからない、ものとか…ッ

困っ、たことがあった、ら…！…いつでも連絡してほしいっす！

ッ…自分、なんかに何ができるか、わからないけど…

春原さんには、アマンダを助けてもらったから…！」

『そんなに泣かなくても…別に一生会えないわけじゃないですから。

四十物さんかっこいいのに…もったいないなぁ。

アマンダちゃん、大事にしてくださいよ。』

波羅夷は何も言わないまま、時間は過ぎ

新幹線発車まで、残り10分となった。

流石にそろそろ行かなければ。

『じゃあ、私そろそろ行きますね。

…おい、波羅夷。』

空却「…んだよ。」

『お土産、妙に良いセンスしてたのはムカつくけど

ちゃんと大事なお友達に渡しとく。

…あと、いろいろありがとう。じゃあな。』

返事なんか待つ気もない。

私に向かって別れの言葉を叫ぶ獄さんと四十物さんを無視して

改札を潜った。

空却「……空却。」

人がそう多くない時間。

私は耳が悪い方ではないから、波羅夷の小さな声も聞こえた。

『…え、何…』

空却「空却でいい。

……またな。今度来るときは土産の一つでも持ってきやがれ。クソA。」

本当に、ムカつくことしか言えないやつだな。

最後までお前に悪い印象を抱いたままかよ。

今更何しても覆るもんじゃないけどさ。

『…うっせぇよ。人にもの頼むときの態度じゃないし。

…何が良いか、ちゃんと連絡しなかったらクソマズいもの買ってくるからな。

またな！空却！！』

やっぱり、こっちに帰ってくるのは楽しいな。

何があっても、全部忘れられる。

私の、もう一つの家に。