ラップなんか出来ないので、拳で生き残ろうと思います 2【ヒプマイ】 (ページ16)

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体育の成績だけはいつも5でしたページ16

大爆笑したままの独歩さんに促されるまま

2人の家のリビングに通された。

流石にこのままだと部屋を荒らしかねないので

ソファに座らせていただいた。

『はぁ…すみません。みっともない姿を。』

独歩「いや…ふふっ…面白かったよ…ふはっ…！」

『独歩さん、いい加減にしないとマフラーで窒息させますよ。

容赦しませんよ私、いいんですね。』

独歩「すみませんでした。」

一二三「独歩が土下座してる…」

帽子のせいで一二三さんの顔は一切見えないが

絶対引いてる。主に私に。

ってそうだ。あんまり喋んない方が良いんだよな。

よし、筆談…あ。

『これだと見えないから文字が書けない…』

独歩「もうわざとだろ！くっ…ハハッ！！」

『これがわざとじゃないから私の成績はほぼ2なんだよなぁ。

すみません一二三さん。後ろ向くので帽子取って良いですか。』

一二三「ひっ…あ、うん…」

一二三さんに背を向けてソファに座り直し

今度こそ筆談しようと、鞄からメモ帳とペンを取り出した。

まずは、とりあえず私を視界に入れることから慣れてもらおう。

話すとか、近づくとか、触るとか。

そういう高難易度イベは後で良い。

※以下、一二三と春原の会話(［］表記)はすべて筆談です。

［とりあえず私を見てもビビらないようになりましょう。

どっぽさん、ひふみさんの方の文章呼んでもらっていいですか。

何も見えないことに変わりはないので。］

独歩「うん、いいよ。」

※一二三の方は独歩が読んでいるということにしてください。

一先ず自己紹介でもしよう。

前は春原って言った時点で怯えられて名前言えなかったし。

［春原Aです。すのはら、です。はるはらじゃありません。］

一二三［伊弉冉一二三です、よろしく。］

［ひふみさん…いざなみさんのほうがいいですか？］

一二三［いや、ひふみで大丈夫です。］

めっちゃ敬語。うむ、完全に心閉じられてるなぁ。

それに何を話していいかわからないし…

うーん、仕事の話…とか。

［敬語じゃなくていいですよ。

ひふみさんはホストなんですよね。］

一二三［うん。］

［女性恐怖症を克服するためになったって聞きました。

凄いですよね。苦手なものを克服するために

苦手なものだらけの世界に飛び込むって。］

中々返事が来ない。

わかったような口をきいたのがまずかったか。

でも、ここで会話を止めたらもう終わりな気がする。

［相当な勇気がいると思います。

凄いです、かっこいいですね。ひふみさん。］

頼む、せめて何か返してくれ。