サッカーなど私に出来ると思うかね【アレスの天秤】

皇帝に物申すお時間 ページ44

西蔭｢……月ノ宮、これであってるか？｣


『わぁお、まさか本当に買ってきてくれるとは……はい、お金』


悠馬に命じられた通りぱちぱちするやつを買ってきてくれた
ごめん西蔭、私悠馬に｢お前は行くなオーラ｣を出されちゃったから動けなかったんだ、ごめん


『んー！ぱちぱちする！
西蔭だいせーかいだね！』


野坂｢で、何の話があって来たの？
それとも、話って言うのは建前で僕に会いたくて…｣


『ヒロトのこと』


野坂｢…彼のことで話すことはないと思うけど｣


『お前、あの時わざと私にパスさせたよな？
ヒロトに見せ付けたくて

自分の方が私を指導できる、だからお前はすっこんでろってさ』


西蔭がわけがわからないといった顔で私と悠馬を見る


野坂｢君にはそう見えたんだね
僕はただ、彼に君がどれだけ上手いかを…｣


『お前は、私がヒロトとよく練習してるのを察したんだろ？

お前は私がボールコントロールができないのを知っていた
なのに、あの時公園での私のパスを受けておかしいと思った

そこで、タイミングよくヒロトが現れて
ヒロトが私を指導したんだと察した

だからヒロトを遠ざけるためにわざとパスさせた…何か間違いは？』


憶測に過ぎないけど
何故か確信がある


野坂｢…だいせーかいだよ｣


『はぁ…やめてよねぇ……この世界での貴重な友達が…』


野坂｢君のつけてるそれ、あの日もつけてたよね？｣


悠馬は、私の首元で光るヒロトから貰ったネックレスを指した


野坂｢それ、ヒロトくんから貰ったものだろう？｣


『えぇ、そうですよ』


野坂｢……なんかムカついたんだよ｣


『ムカついた…？ふざけるなよ野坂』


野坂｢…え？｣


なんで……そんな理由で…


『お前のせいで…いや、私のせいで物語が壊れようとしてるんだぞ…！』


野坂｢もの…がたり…？｣


何も分かっていない野坂の胸ぐらを片手で掴む
アイス持ってるからね！これ美味しいからちゃんと食べたい


西蔭｢お前…！野坂さんから離れろ！｣


『…私のせいで
大好きなイナズマイレブンが壊れちゃう…』


野坂｢…西蔭、座って
ごめんね、A…僕が考え無しにそんなことしたから……君を苦しめた｣


胸ぐらを掴んでいる私の頭を撫でながら、なだめるようにそう言った


『…ごめん、悠馬』


野坂｢大丈夫、それよりアイス溶けちゃうよ
僕のもひと口食べてみる？｣


『…西影の｢不動明王｣のやつ食べたい』


西蔭｢は？｣


野坂｢あぁ、炎の激辛ハバネロペッパー味か｣


西蔭｢はい！？｣

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