サッカーなど私に出来ると思うかね【アレスの天秤】

演奏開始のお時間 ページ34

吉良side

で、今あいつはギター片手にステージのマイクの前に立っている


｢ただいまライブを予定しておりましたバンドの到着が遅れております
皆様にはたいへんご迷惑をおかけします…

バンド到着までですが、主催者の友人の紹介で来て頂いている方の演奏をお楽しみください｣


客がAを見て騒ぎ出す
文句を言う奴もいる……あいつ、そういうのは嫌いそうだなぁ


『飛び入り参加で申し訳ないんですけど、そんな文句言われるような演奏しないんで』


Aが煽ると、心当たりのある客の肩が跳ねた

その客の方を睨みつけながら、演奏をスタートした


Aの演奏は想像以上のもので
歌ってる曲は何かわかんねぇけど、圧倒された

それは、文句を言ってた客も同じみたいで
今ではリズムを叩いている始末


『……これで文句言える人いる？』


誰も声を上げるやつはいなかった
それと同時に、歓声が上がった
アンコールを求める声も聞こえる


『ごめん！私今デート中なんだよね！
そ・れ・に！バンドさん到着したらしいから、
私の出番はここまでー！バイバーイ！』


客から惜しむ声が漏れる
中には｢彼氏いんのかよ…｣とか｢俺狙ってたのに｣とか言ってる奴もいる

そそくさとステージ裏に戻り、ギターを置くと
俺の元にダッシュしてきた


『ヒーロト！さぁ、デートの続きをしよう！』


吉良｢デートじゃねぇよ、タツヤみたいな事言ってんじゃねぇ｣


『知ってるー
あ、あそこスポーツショップじゃない？行こいこ！』


吉良｢おい！手ぇ引っ張るんじゃねぇ！｣


『さっきお前もやったろ！』


本当に、こうしてるとガキみたいだ
さっきは割とかっこよかったのによぉ…


吉良｢ぜってぇ本人には言ってやらねぇけど｣


『えーなに何？さっきのかっこいい私を見て惚れたー？』


スポーツショップに入り、サッカーのコーナーを見始めて
何故かそう言われた


吉良｢もう1回叩いてやろうか？｣


俺が手を振りあげると、戦闘態勢に入ったように身構えた


『お前のは痛いからパスする！…ねぇ、これプレカってやつ？』


※つくしちゃんがコンプリートしてるやつです
こういう所に売ってる設定にしてください


吉良｢ん？多分な｣


『へぇ…これって、ヒロトとかきっくんのもあるの？』


吉良｢さぁな、あるんじゃねぇの？｣


『じゃあ買うーヒロトも買う？』


吉良｢興味ねぇよ｣


『つれないなぁ…あ、私のもあるんだこれ』


吉良｢…1つくらいなら買ってやってもいい｣


『とんでもない上から目線…』

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