サッカーなど私に出来ると思うかね【アレスの天秤】

追跡者視点のお時間 ページ24

あの子は雷門中の月ノ宮…
星章学園相手に二点をもぎ取ったストライカー…

伊那国中ってところから来たらしいからあんまり情報は無いけど
注意するべき選手だ

そんな人がなぜヒロトと…？
それに何だあのコントロール力は…無さすぎる…



なんて思っていたら、月ノ宮さんは突然ヒロトを押し倒した


基山「えぇ！？」


思わず声が大きくなる
2人には気づかれていないみたいだけど…


月ノ宮さんがヒロトに何か言うと、ヒロトは黙ってゆっくり起き上がった


吉良「わかるに決まってんだろ…お前は二度と俺と会ってはくれなくなる」


『せいかーい！よくわかったね！』


吉良「ホントに性格悪いなお前…」


ヒロトの顔が心なしか赤いのに対し、月ノ宮さんは平然としている


『私より性格悪いやつはすぐそばにいるけど…』


そう言って、俺のいる方を見た
ヒロトは何のことかわからず首を傾げている


『ってか、脅すつもりでやったんだけど…顔真っ赤だよー？意識してるー？』


吉良「してるわけねーだろバーカッ！いいから練習再開するぞ！」


そして、2人でパス練習を再開した
月ノ宮さん…FFで当たるときに一番の脅威だと思っていたけど

ヒロトのお陰で対策ができそうだ


吉良「もっと「ここにボールを送りたい」と思って蹴れ」


『そう思って蹴ってますー！』


吉良「体の軸がぶれてんだよ！体幹鍛えろ！」


『なんか厳しくなったね！？』


ヒロトの強烈なパスも難なく受け取っている
彼女はワンマンプレーの方が向いているかもしれないけど、連携もできるタイプの選手みたいだ

…俺も混ざりたいな


基山「楽しそうなことしてるね、ヒロト」


だから混ざるよ、俺も混ぜて！


吉良「タツヤ…！？お前こんなところで何してんだよ！」


『え…さっきのストーカータツヤくんだったの…？』


基山「うん、ストーカーじゃないよ」


眼を輝かせて俺を見る月ノ宮さん


『うわぁ…！私無印時代の基山ヒロト大好きなんだよね…！
アレスの天秤も明日人くんと同じくらい好きだし…！』


基山「むいんじだい？」


吉良「「アレスの天秤」はあれだろ？月光エレクトロニクスの…」


『ちっがーう！

無印時代っていうのは、基山タツヤが基山ヒロトだったときの話！
アレスの天秤は今の時間軸、パラレルワールド！』


何言ってるんだろこの子…
俺はずっと基山タツヤなんだけど…


基山「それより、俺も混ぜてよ」


『もちろん！一緒にやりましょタツヤくん！』

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