サッカーなど私に出来ると思うかね【アレスの天秤】

状況理解のお時間 ページ3

「Aちゃん、大丈夫？」


『その声はのりかちゃんだぁ…』


海腹「のりかちゃん？呼び方がいつもと違うね」


座り込んだままの私の手を引き、起き上がらせながらそう言った


『呼び方？』


氷浦「そういえばそうだよね、いつも俺の事貴利名なんて呼ばないじゃん」


『じゃあ何て呼んでるの？貴利名くん』


氷浦「きっくんって呼んでる」


海腹「私の事はのーりんって呼んでるよね！」


氷浦「明日人はあっすーで…」


『ちょっとあだ名付けすぎな私であるー』


休憩している伊那国サッカー部のもとへ歩きつつ、状況を把握する


つまりは、私はここのサッカー部のメンバーってことだ
苗字の事も気になるけど、今はそれより…この時間がいつなのかってことが気になる


稲森「A、熱中症なら校舎に入ったほうが…」


『明日人くん…じゃなくてあっすー、もしかして今島を出て練習試合をしに行きたいって話してた？』


稲森「なんで全部わかってるの！？」


『…今から校長に直談判しに行くの？』


稲森「うん！キャプテンと一緒に…！」


『私も行く、2人だけで行くなんてズル…ダメだよ！』


氷浦「今ズルいって言おうとしたよね…」


あの校長一回殴りたかったんだよ…！
この世界が本当にアレスの天秤の世界なら、あいつ殴れるはず


私の我儘を聞いてくれたのか、三人で校長室へとやってきた
私この後の展開知ってるからなぁ…


「練習試合？残念ながらそれどころではありませんよ

サッカーは熱くなりすぎました…伊那国はその熱さについていけなくなったのですよ」


道成「どういうことですか…？」


ここから、スポンサー制度だとかの話が始まった

伊那国中イレブンにはスポンサーが居ない…だから廃部になるんだ
テレビで見るより辛い…


「意味があるのは君達にスポンサーがいるかいないか…それd((『ごちゃごちゃうるさい！』…がっ！？」


長年の夢が叶った
ずっと殴りたかった冬海校長をやっと殴れたー！


稲森「あぁ！！なにやってんだよA！」


道成「おまっ…そんなキャラじゃなかっただろ！？」


『じゃあどんなキャラだったんですか？』


道成「サッカー上手いくせに攻撃するの怖がってたり…」


稲森「懐いたら変なあだ名付けてくるくせに人見知りで…虫も殺せないような感じ」


『うわぁお…それ先に行ってほしかった』


そんな私が人殴るとかヤバくね

なんてことを思っているうちに、外から大きな音が聞こえてきた
…始まっちゃった

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