サッカーなど私に出来ると思うかね【アレスの天秤】

帰還のお時間 ページ18

吉良「ほら、ついたぜ」


『マジサンキューヒロト！やっとヨネさんのご飯が食べれるー♪』


吉良「誰だよそいつ…じゃあな」


反対方向へ歩いて行くヒロト
ヒロトに気づかれないように、近づいて…


『仲間を大事にな、そこがお前の居場所だ』


後ろから抱き着いて、ちゃんと聞こえるようにそう言った


吉良「んなっ…何してんだ！？」


『私の声聞こえてたー？』


ヒロトから離れて、ヒロトと反対方向に走り出す


『じゃあね、ヒロト！』


唖然としたままのヒロトを置いて、みんなの待つ木枯らし荘へと帰った




　


　


　

『みんなーただいまー！…ぐえっ』


帰宅して、一番にハンちゃんに飛びつかれた


服部「バカー！何処行ってたの！！」


岩戸「心配したでゴスー！」


海腹「なんでメッセージ返してくれないの！？」


『わ、わかったから…』


お怒りの仲間たちに説明をしつつ、ヨネさんに言われて食卓につく


氷浦「…おかえり」


『た、ただいま…』


そこには、食事に一口も手を付けていないであろうきっくんがいた
めっちゃ怒ってるっていうオプション付きで


氷浦「どこ行ってたの」


『自主練しに…ちょっと遠くの公園に』


氷浦「…俺の言ったこと気にした？
ボールコントロールのこと…」


『そ、そりゃちょっとは…』


氷浦「ごめん

ボールコントロールなら俺が教える…俺が手助けするから…だから心配かけないで」


涙目になってる…だと…！？
可愛すぎるぅ…！抱きしめたい…！


『それはありがたいけど、美濃道三中戦に向けての練習があるでしょう？
きっくんはきっくんのすべきことをして

心配かけてごめん』


次の試合の鍵はきっくんとゴーレム
私の事できっくんが必殺技を覚えられないなんてことになったら困る


『それにね、一緒にサッカーしてくれる友達もできたんだ！
だから、きっくんに面倒はかけないよ！』


氷浦「そ、そう…早くご飯食べよっか」


タイミングよくヨネさんがご飯を持ってきてくれた

きっくんと、2人で食べる夕飯
会話は無い


氷浦「(何を落ち込んでるんだろう…

一緒にサッカーをしてくれる友達か…大好きな俺よりそいつの方がいいのかな)

大好きって…自分で言って恥ずかしいな…」


『きっくん独り言多いタイプなんだね』


氷浦「うるさいよ」


『異常に冷たい！』


氷浦「怒ってるのわかんないの？」


『わかる、けど可愛い』


氷浦「可愛くない！」

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