愛する騎士に嘘を吐いた【あんさんぶるスターズ！】 (ページ10)

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truth.1 ページ10

城崎side

なんとなくこうなる気がしていた
瀬名くんに会った時からじゃない

この学校の偉い人に、冬園蓮の妹としてAがテストケースに選ばれたって聞いたときから
夢ノ咲学院に瀬名くんがいることも、レオくんがいることも知ってたから

危なかった
Aが出てった後、瀬名くんを殴るところだった
多分殴るじゃ済まないけど

そんなことしたら、レオくんに嫌われる
レオくんに嫌われたら、Aに嫌われる
其れは嫌だ

『彩斗？さっきからずっと黙ってるけどどうしたの？』

城崎「うぇ…あぁ、なんでもないよ」

『うぇってなんだよ…』

今はAとの帰り道
唯一二人きりでいられる時間

『曲どうしよっかー、レオの曲は全部いいやつだからなぁ…選べん』

城崎「僕は今回の衣装が作れればそれでいいよ、だからAが選んで」

『駄目だよ、そういうのは曲をよく知らない人が直感で選んでこそ！
彩斗も一曲は選んでよね』

音楽の話をしてるときの顔は本当に可愛い
どうしてこんなに愛おしいんだろう

城崎「…僕がいいって思うのは…Aの歌だけだよ」

『それはかなり重症だから』

城崎「今の歌も…前の歌も全部、僕は大好きだから」

『今？前？私の曲ってそんなに変わって無くない？』

城崎「そうだねぇ…ずっと最高の曲だよね！」

『そういうことじゃない』

僕の言葉がわかってないみたいだった
でも、本当に変わったんだよ

城崎「あ、あの公園だ！A、寄っていこう！」

『ちょ、彩斗…今日は早く帰ろう』

城崎「どうかした？…あ、今日って」

『そうだよ、彩斗が困るでしょ』

忘れたかったのに…今日は

城崎「そっか、じゃあ早く帰らなきゃね！」

帰りたくない

『うん、というか…公園から家結構近いから、もう着いたよ』

行かないで

『じゃあね彩斗、また明日』

独りにしないで

城崎「うん、バイバイ！」

今日だけは一緒にいて

玄関の扉を開け、家の中に入る

「遅かったな、彩斗」

城崎「…ただいま、父さん」

帰りたくない

だって今日は

「少し話があるの」

城崎「…何？母さん」

親が帰ってきちゃうから

　

「お前、夢ノ咲学院に入ったらしいな」

城崎「うん、アイドル科」

「アイドル？お前、そんなものになろうとしているのか？アイドルなんて所詮は人形に過ぎないだろう」

城崎「…あの子が好きな物を否定しないで！！」

「子供が親に逆らうな！！」

だから…嫌いなんだ