lie.7 ページ8
飛び出してから、数分
この学校に今日始めてきたから道なんてわかるはずもなく
迷った挙句諦めて噴水の近くに座っています
『何が「お前に会ったら言いたかったことがある」だよ…
あんなこと言いたかったわけじゃないのに…』
ただ謝ってほしいってそう言いたかっただけだった
それなのに、いざ本人の目の前になると頭が真っ白になって
気づいたら、あいつは泣きそうな顔してた
『酷い顔…なんで恨んでる相手に暴言吐いてこんな顔してんだろ』
水面に映る自分の顔は、アイドルとは思えないほどひどい顔をしていて
何故かその顔は、あいつと同じように泣きそうだった
「そんな『かお』しないでください〜」
『うわぁ!?水、水の中から…何、人魚…?あれ、でも今の声男っぽかったし
そもそもここには男しかいないし…もしかしてあんず!?それはまずい…助け…』
「よくしゃべるこですね、そんなにしゃべれるなら『だいじょうぶ』ですね〜♪」
『あぁぁ!!人魚…じゃない』
「ぼくは『にんぎょ』じゃないですよ、『しんかいかなた』です」
『深海奏汰…?あ、五奇人の…』
水の中から現れたのは人魚ではなく深海奏汰
お兄ちゃんから五奇人の事は聞いていたから何となく知ってる
深海「いまは『さんきじん』ってよばれてます〜」
『へぇ、減っちゃったんですね』
深海「はい、ところでAさんはここでなにを?」
『実は…』
私はさっきあったことを全部話した
何か違和感があったけど、気づかないふりをした
深海「なるほど…Aさんは『うそつき』さんなんですね〜」
『なっ…嘘はついてないです!私は本当に瀬名泉が…』
深海「『きらい』なら、『あいて』をきずつける『ことば』しかつかわないはず
でもすこしだけ『やさしさ』があったきがするんです」
『…あんなやつにあげる優しさは持ち合わせてません』
深海「…すきなだけ『うそつき』になればいいです
でも、やりすぎたら…もうもどれなくなりますよ」
__それは『れん』ものぞまないでしょう
続けられた彼の言葉で気づいた
『なんで私の名前を知ってるんですか…』
私は一度も名乗っていない
深海「なぜでしょう〜♪」
『本当に奇妙な人魚…』
深海「『にんぎょ』じゃないです」
そう言いながら、彼は私の背中を押して
「がんばってください」と一言残して
また噴水の中へと戻っていった
『…何してんだろ』
戻る前にあの人を助けるべきだったと
戻ってから気づいた
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作者名:天空の巫女 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/TENMIKO/
作成日時:2018年11月13日 18時