検索窓
今日:25 hit、昨日:3 hit、合計:32,141 hit

lie.7 ページ8

飛び出してから、数分
この学校に今日始めてきたから道なんてわかるはずもなく
迷った挙句諦めて噴水の近くに座っています


『何が「お前に会ったら言いたかったことがある」だよ…
あんなこと言いたかったわけじゃないのに…』


ただ謝ってほしいってそう言いたかっただけだった
それなのに、いざ本人の目の前になると頭が真っ白になって
気づいたら、あいつは泣きそうな顔してた


『酷い顔…なんで恨んでる相手に暴言吐いてこんな顔してんだろ』


水面に映る自分の顔は、アイドルとは思えないほどひどい顔をしていて
何故かその顔は、あいつと同じように泣きそうだった


「そんな『かお』しないでください〜」


『うわぁ!?水、水の中から…何、人魚…?あれ、でも今の声男っぽかったし
そもそもここには男しかいないし…もしかしてあんず!?それはまずい…助け…』


「よくしゃべるこですね、そんなにしゃべれるなら『だいじょうぶ』ですね〜♪」


『あぁぁ!!人魚…じゃない』


「ぼくは『にんぎょ』じゃないですよ、『しんかいかなた』です」


『深海奏汰…?あ、五奇人の…』


水の中から現れたのは人魚ではなく深海奏汰
お兄ちゃんから五奇人の事は聞いていたから何となく知ってる


深海「いまは『さんきじん』ってよばれてます〜」


『へぇ、減っちゃったんですね』


深海「はい、ところでAさんはここでなにを?」


『実は…』


私はさっきあったことを全部話した
何か違和感があったけど、気づかないふりをした


深海「なるほど…Aさんは『うそつき』さんなんですね〜」


『なっ…嘘はついてないです!私は本当に瀬名泉が…』


深海「『きらい』なら、『あいて』をきずつける『ことば』しかつかわないはず
でもすこしだけ『やさしさ』があったきがするんです」


『…あんなやつにあげる優しさは持ち合わせてません』


深海「…すきなだけ『うそつき』になればいいです
でも、やりすぎたら…もうもどれなくなりますよ」


__それは『れん』ものぞまないでしょう

続けられた彼の言葉で気づいた


『なんで私の名前を知ってるんですか…』


私は一度も名乗っていない


深海「なぜでしょう〜♪」


『本当に奇妙な人魚…』


深海「『にんぎょ』じゃないです」


そう言いながら、彼は私の背中を押して

「がんばってください」と一言残して

また噴水の中へと戻っていった


『…何してんだろ』


戻る前にあの人を助けるべきだったと
戻ってから気づいた

lie.8→←lie.6



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.2/10 (11 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
34人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:天空の巫女 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/TENMIKO/  
作成日時:2018年11月13日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。