lie.39 ページ44
『私の意思って…』
天祥院「正直、君と城崎君は組んでいるべきではないと思うんだ
互いが互いの才能を打ち消し合ってしまう…天才同士が揃うとそうなる」
この状況を見られたら流石にヤバいのはわかっているのに…体が動かない
天祥院「君は僕と組めば違う輝きが見れると思う…僕と組もう、冬園さん」
『わた…しは……
貴方とは組めない』
天祥院「…どうして?」
『約束したから。
絶対一人にしないし一人にならないって
彩斗と私は二人でアイドルになる、貴方に邪魔はさせない』
天祥院「約束ねぇ…その約束が、彼を縛ってるとは考えないの?」
『…はぁ?』
この人は本当に何を言っているんだ
天祥院「さっきも言った通り彼はもともと一人だったんだよ?それを無理やり君に縛り付けて、彼の魅力を殺してる…なんて、あり得ない話じゃないだろう?」
『ちが…縛ってなんか…』
天祥院「ないつもりだろうけど、無意識にそうしてるんだよ君は」
『違う…!彩斗は私とユニット組みたいって…』
天祥院「彼の君への愛情を利用して、そう解釈しているだけじゃないの?」
『何なんですか貴方は…なんでそこまでしてMendaxを壊そうとするんですか!』
天祥院「知りたい?いいよ、教えてあげる…僕は……」
天祥院先輩が口を開こうとしたタイミングで、保健室の扉が開いた
瀬名「教室戻ったら普通に遅刻で怒られたんだけどぉ…Aちゃんまだいる?……は?」
『せ、ないずみ…助け……』
天祥院「やぁ瀬名くん、サボりはいけないよ」
瀬名「天祥院あんた何してんの…離してやりなよ」
心なしか瀬名泉が怒っている気がする
天祥院「それはできないな…彼女にはまだ言いたいことが…」
瀬名「離せって言ってんの!!Aちゃんから離れろ!!」
『うわっ、ちょ、引っ張るなっ』
思いっきり肩を瀬名泉の方へ引っ張られ、瀬名泉に後ろから抱きしめられる状況になった
普段なら嫌すぎて凍死するのに、凄く安心する
天祥院「あーあ、奪われちゃった」
瀬名「………」
天祥院「そんなに睨まないでよ瀬名くん、僕は彼女に危害を加えようとしたわけじゃないよ」
瀬名「へぇ…大っ嫌いな俺に助けを求めるほど怖がってたのに?」
天祥院「自分が嫌われていないかも…とかは考えないんだね」
瀬名「……俺は嫌われて当然だから
でも、俺はこの子を苦しめたくない。出来る限り助け続ける」
そう言うと、私の手を引いて保健室を出た
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作者名:天空の巫女 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/TENMIKO/
作成日時:2018年11月13日 18時