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Side on Soraru...


"まあ、俺も聞いた話なんだけど"

涼がそう付け足すのを、聞き逃しはしなかった。

聞いた話?
誰に何を?
……分からないことが多すぎる。


そもそもたった数分前のこと――しかもAの胸中での出来事を把握し、涼に伝えるなんて神業が在りうるのか。

……答えは、NOだろう。
常識的に考えて、ありえない。


だが、そんな疑問はすぐに消し飛ぶこととなった。

というのも――……


side change side on you...


「……違ってたら、違うって言ってね?」


そんな前置きに、こくり。
頷いて、肯定の意を示してみれば、"そっか"と満足げに微笑む涼さん。

そして、ゆっくりと口を開く。


「……千歳さん、全部思い出せたんじゃないの?」


そうさらりと落とされた爆弾に、驚きを隠せない私と亮さん。

……きっと、理由は違うのだろうけど。


……いや、それより。
なんでこの人は、こう、勘が鋭いのだろう。
普通、分からないものなんじゃないのかな。そういうのって。

内心おののきつつ、「たぶん」と。
そう返すせば


「やっぱりね」
「……っえ、てことはあの、呼び方とかは元に戻っただけって、」
「そういうことだろうねぇ」


凉さんの朗らかな声と、案の定戸惑った様子の亮さん。

……あぁ、やっと伝わった。


さして月日が経った訳でもないのに、数日前と同じような状景の今がひどく懐かしく思えてしまう。
これがセンチメンタルか。

そんな和やかな空気の中で、ふと思い出した――あれ、


「……これって、主治医の先生呼んだ方がいいんじゃ」


口に出してしまっていたらしい。
私のそんな呟きを耳にした二人が、ギョッとした顔でこちらを振り向いた。

…やっぱり、あの



(忘れてた感じね……)

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設定タグ:そ.ら.る , 恋愛 , 歌い手   
作品ジャンル:恋愛
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宇宙音(プロフ) - 裏音さん» わわわありがとうございます!!楽しんでいただけるようなものを目指して準備してますです!(?) (2015年3月14日 23時) (レス) id: c19bdcd8dd (このIDを非表示/違反報告)
裏音 - 完結おめでとうございます!前作から全て読みました!すごく面白いと思います!続編、楽しみにしていますね( ´∀`*)ゞ (2015年3月14日 17時) (レス) id: b03c2882f6 (このIDを非表示/違反報告)
宇宙音(プロフ) - まひめさん» 感動するだなんてお言葉、恐縮です……!!応援ありがとうございます!! (2015年1月24日 0時) (レス) id: c19bdcd8dd (このIDを非表示/違反報告)
まひめ - すごくいい小説ですね…!!感動します。更新頑張ってください! (2015年1月20日 20時) (レス) id: 20c20fcea2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:宇宙音@千歳 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/sorane9132/  
作成日時:2014年7月25日 16時

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