Storage＊42 ページ43
「あのさぁ、」
「あのさぁじゃないだろー。何が"情けない"だ、今の亮の方がよっぽどだせぇっつの」
……あれ、待って。
目の前で――いつの間に立ち上がったのか――亮さんと涼さんがぴりぴりと牽制しあっているように見えるのだけれど、あの。
(……まさか)
若干影のさしたその笑顔に、いつもの柔らかい(チャラい)しゃべり方は見る影もないような声色と口調。
これ、は……
(……涼さん、キレてる？)
……としか思えない。
「もう亮鈍感過ぎねー？ちょっと見てて鬱陶しいわ、うぜえし」
「なんで涼にそんなこと言われるのかな？」
「はあああ？お前自分の親友の助言も聞かねーの？どんだけ頭でっかちなんだよ？え？」
亮さんの顔から表情が抜け落ちた。
うわあなんでいきなり喧嘩(なのかな？)に。
真っ黒い笑顔(涼さん)VS究極の無表情(亮さん)
……そういえばさっき"視た"中にもあったなぁ、ブチギレして、表情が完全になくなった状態の"そらる"の映像。
きっと怒ると、表情筋が動かなくなるんだなぁ。それはそれで怖いけど、綺麗な人だから。
「で、結局お前は何が言いたいの？まさか俺を怒らせたかっただけじゃないよね？」
「まっさかぁ。そんな意味の無いことに時間無駄遣いしないしぃ……ただ、聞くに耐えなくてね」
ここに来て涼さんの態度が平常に戻った。声も、いつもの柔らかい声に。
しかし、聞くに耐えない、と。
彼は確かにそう言った。だけど当事者であるはずの私には、いまいちなんのことやら。
だが分からないのもまた、同じらしい。
亮さんもまた、訝しげな目を涼さんに向けていた。
「……ほんと鈍いなぁ。じゃあ聞くけどさ、亮さんはなんで千歳さんが"そらる"って呼んだんだと思う？」
「それは、」
「やっぱり。分かってないクセに"からかい"とか言っちゃダメじゃん、それとも何？千歳さん傷付けたかった？」
「ちが、それは違う」
慌てて弁解しようとする彼に、涼さんは尚も追い討ちをかけていく。
「落ち着いてたら、分かっただろうね。亮さん良くも悪くも頭いいから。難しく考えすぎたの。あ、これは千歳さんもね？」
「え、私も？」
「そうだよー！言っちゃうと多分、あの時"視えた"ものは予想通りだろうね……まあ、――」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 35人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
【黒バス】『死ねばいい』キセキ｢急に！？｣『私はお前らみたいなやつが１番嫌いな... 【銀魂】アホと言われてウン十年…いやまず私アホじゃないから天才だかｒ…((殴 《...
【銀魂】今日は誰に抱き締められる？【日替り】もっと見る
「歌い手」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
宇宙音(プロフ) - 裏音さん» わわわありがとうございます!!楽しんでいただけるようなものを目指して準備してますです！(?) (2015年3月14日 23時) (
レス) id: c19bdcd8dd (このIDを非表示/違反報告)
裏音 - 完結おめでとうございます！前作から全て読みました！すごく面白いと思います！続編、楽しみにしていますね( ´∀`*)ゞ (2015年3月14日 17時) (レス) id: b03c2882f6 (このIDを非表示/違反報告)
宇宙音(プロフ) - まひめさん» 感動するだなんてお言葉、恐縮です……!!応援ありがとうございます!! (2015年1月24日 0時) (レス) id: c19bdcd8dd (このIDを非表示/違反報告)
まひめ - すごくいい小説ですね…!!感動します。更新頑張ってください! (2015年1月20日 20時) (レス) id: 20c20fcea2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：宇宙音＠千歳 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/sorane9132/
作成日時：2014年7月25日 16時
