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Storage*11 ページ12

「――…どういうつもり?」

「ん、何が?」

「とぼけないで答えろ。なんでお前が――」


"Aと意気投合してんだよ"

……いや、考えれば色々あるわけだが。

音楽、特にピアノとか
この【ベーシストのクセにギターもピアノもキーボードもボーカルも出来るサラリーマン】なら理由に成りうる。

しかもコイツのコミュ力は異常、基本誰とでも仲良くやれるわけで。


「……まぁ、それはさ?千歳さんのピアノの力といいますか、亮さんの美声といいますか、あの」

「おふざけいらない。」

「あう…冷たいなぁ亮さん。」

「まぁ良いや、それは。それよりなんかアイツに言ったの?」

「あぁ、記憶を取り戻す話?それなら何も。千歳さんが自分で決めたことだよ。」


自分で、か。
……まぁ、らしいっちゃらしいけど。

一度、瞬き。


"私の、記憶を取り戻すお手伝いをしていただけないでしょうか"


…おかしいな、もう1時間近く経ったハズなんだけど。

くっきり脳裏に焼き付いちゃって
表情まで思い出せちゃって。

嗚呼、駄目だ。
どれだけ依存してやがる、アイツに。



――今日の空はすごく良いもの
朝も昼も、雑じり気の少ない蒼に人が描いたような形の雲が浮いていた。
それは、今も例外じゃなくて
雲の数といい、沈みかけの太陽といい…

ビルの狭間、暮れ泥む空が覗いている。

なんとなく、複雑な気持ちになった。

忘れられそうで、忘れられない。
逃げたいのに、逃げられない。

――別れたのに、好きなまま。
沈んでるのに明るいままの今の空にそっくりだ。


「………分かってる。」


小さく呟く。
分かってるんだ、だから


「……考えるより先に、"勿論"って答えたの。」

「…そ。まぁ、俺が言うのもアレだけど頑張ってよね。これで破局なんてしたら怒るから、説教だから。」

「意地でもするか、んなの。」


アイツは知らない、起点となる日の帰り道に交わした会話。

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設定タグ:そ.ら.る , 恋愛 , 歌い手   
作品ジャンル:恋愛
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宇宙音(プロフ) - 裏音さん» わわわありがとうございます!!楽しんでいただけるようなものを目指して準備してますです!(?) (2015年3月14日 23時) (レス) id: c19bdcd8dd (このIDを非表示/違反報告)
裏音 - 完結おめでとうございます!前作から全て読みました!すごく面白いと思います!続編、楽しみにしていますね( ´∀`*)ゞ (2015年3月14日 17時) (レス) id: b03c2882f6 (このIDを非表示/違反報告)
宇宙音(プロフ) - まひめさん» 感動するだなんてお言葉、恐縮です……!!応援ありがとうございます!! (2015年1月24日 0時) (レス) id: c19bdcd8dd (このIDを非表示/違反報告)
まひめ - すごくいい小説ですね…!!感動します。更新頑張ってください! (2015年1月20日 20時) (レス) id: 20c20fcea2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:宇宙音@千歳 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/sorane9132/  
作成日時:2014年7月25日 16時

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