奇跡の少女 3

歓迎 ページ29

優勝したということ以外特に何も変わらない私は、普通に車に乗り、普通に飛行機に乗り、空港についた。









マスクをしたまま、搭乗口から降り、下を向いて歩く。








奈々美先生と喋りながら、自動扉が開いた先には信じられない光景が広がっていた。







A「うそ…。」









たくさんのカメラのシャッターの音とたかれるフラッシュ。







眩しくて目をぱちぱちしていると声が聞こえて、右の方を見ると









「佐藤選手！おめでとうございます！」






「凄かったです！」






「応援してます！」








とバーナーを持ったたくさんの人達が声を上げてくれていた。









誘導されるがままに、観衆の人達に手を振ったり、頭を下げたり








突然の環境の変化に驚いていた。









いつもは多いと感じていたカメラの量も今日と比べたら少なかったんだなと思ってしまうほどだった。









その場で止まっている私にどんどんと質問がとぶ。








「今のお気持ちは？！」






「世界最高得点ですよ！どう思われますか？！」








「素晴らしい演技でした！！」









突然のことに戸惑いながらも時間もあるので少しずつでも答えていった。









たくさんの報道陣の間をかき分けて、やっと解放されて、大きくため息をつく。









空港の外で待っている妹とお母さんに抱きついて喜びを伝える。









少し寒くなってきた日本。








暖かい車に乗り込むとテレビがついていて









私の特集が組まれていて、過去の映像や先ほどのインタビューの映像が流れていた。








そこまでは良かったのだけれど画面の端に表示されているキャッチコピー







「奇跡の少女」









それを見て私は頭を抱えた。

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