【センラ】冷たくなる頃に。

Story 10 ページ11

「……ねぇ、今日の放課後話があるんだけど」


週末明けの学校。
移動教室からの帰り、教科書を抱き締めながらAが話す。
なぜか胸がざわついてよくない報告を受けるんじゃないかと、ネガティブな思考が頭をよぎったが彼女からの誘いを断るわけにもいかず承諾する。

志麻くんと付き合った、とかじゃないといいけど。



「なぁなぁセンラくん〜自称恋愛マスターやろ？？ちょっと相談のってや〜〜…」


「なに？？え、きっしょ」


「センラくんの毒舌結構心に来るんやで……」



自分の教室に帰ってきて席についた途端、志麻くんがよってきた。
考え事をしてたからつい口から出てしまったのはきつい言葉。
でもまあ志麻くんなら平気やろ。とか思ってみる。



「え、志麻くん好きな人できたん？」


「…………いやぁ、なんというか、まあ、ね」



なんとも煮え切らない、歯切れの悪い返答。
どうせならハッキリ言ってくれ、なんて気分が悪いせいかイライラしてきてしまって思わず志麻くんに当たりそうになる。

視界が、歪む。


どうやら朝起きたときに感じた違和感は気のせいじゃなかったらしい。


体が、床にぶつかる音がした。

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