君がいない、ただそれだけで ページ33
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久しぶりの我が家は、やっぱりどこか冷たさがあった。
家に着いたのは既に陽が昇った頃なのに、赤い車がまだあるという事は少なからずあの女は今ここにいる。
2階の自室に行き荷物を置いてから乾いた喉を潤そうとキッチンへと向かいその扉を開けた時、やっぱりいた。
ベッドではなくてダイニングテーブルに突っ伏す、実の母が。
その横を通り冷蔵庫に向かおうとした時、
「…！…なんで…？」
机に広々とばらまかれていたのは私が映った写真だった。
この状況が上手いこと呑み込めず立ち尽くしていれば私の声が聞こえたのか、母は「んっ…」と身動ぎをした。
そして私を目に捉えると、その大きな瞳が更に大きくなる。
「アンタ…今までどこ行ってたの！！！？」
「…っ」
なんで、なんで…
「電話しても繋がらないし、LINEだって反応ないし…私がどれだけ心配したか分かってるの？！」
「…っ」
なんで、泣いてんの？
目障りだって、私の前から消えてって、アンタ私にそう言ったよね？
なのになんで、そんな事言うのよ。
「…って違う…そんな事言おうとしてたわけじゃない…っ」
「……？」
「…おかえり、” A ”」
だ、から…
「……なんで…よっ…」
「Aが帰って来ない間、一人色々と考えたの。
あの人と別れてから、あなたに何もしてあげれてなかったって。」
「……」
「前までは、私が帰ってきてもまだどこか生活感が残ってて、Aは帰ってきているんだと思ったけれど…ここ１ヶ月、帰っても何ら変わってなくて…等々あなたにまで愛想を尽かされてしまったんだと思った」
「……」
「私…あの人の事で頭に血が上って、顔が似てるだけだっていうのにAにばかり当たって…」
「…なんで今更……っ」
「そうよね。何もかも今更かもしれない。
けど、…それでもやっぱり…あの人に顔が似てても、あなたは私の子。嫌いになんて、なれるわけない…っ」
「……っ」
本当だよ…何もかも今更すぎるでしょ。
今更…そんな事言われたって……もう私は…
私は……
「……お母さん。」
「……ごめんなさい、A。」
そう、この声が好きだった。
私の名前を優しく囁く、その声が。
かなりショックだった。
心の底から大嫌いだと思ったし、いっその事親子関係なんて無くなれとも思ったけど…私はこの人を強く憎んでたわけじゃなかった。
だって私のお母さんはこの人しかいないのだから。
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美樹菜(プロフ) - 赤司くんと黛先輩が好きなので、こういう小説見れて嬉しいです。これからも頑張ってください。 (2019年1月2日 23時) (
レス) id: a4e34be67d (このIDを非表示/違反報告)
黒路 - 結局最後まで自分に甘いだけですね夢主ちゃん。現実にいたら恋愛でも結婚でも長続きしませんね。 (2018年9月18日 7時) (レス) id: fa1a11a816 (このIDを非表示/違反報告)
羅夢(プロフ) - かふぇらぺさん» ありがとうございます！夏休み終わってしまいました...全然更新出来ず申し訳ないです...。 (2018年8月22日 18時) (レス) id: 56b708a054 (このIDを非表示/違反報告)
羅夢(プロフ) - ぴこさん» いつも感想ありがとうございます！！長い間更新出来ずにすみませんでした。 (2018年8月22日 18時) (レス) id: 56b708a054 (このIDを非表示/違反報告)
羅夢(プロフ) - 黒路さん» 黒路さん、初めまして！読んでもらえて嬉しいです。そうはっきり言ってもらえるのとってもタメになります！あがとうございます！！ (2018年8月22日 18時) (レス) id: 56b708a054 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：羅夢 | 作成日時：2017年11月5日 14時
