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「…起きてるのか?」
千尋が帰ってきたのは、それから2時間後の深夜1時くらい。
それまで起きていたんじゃなくて、いつの間にか寝てしまい千尋が出す物音で目を覚ましてしまったのだ。
「…アンタのせいだっての。
気持ちよく寝てたのに」
「そう」
私に一つ目配せしただけで、近くのウォークインクローゼットへと入って行った。
「…あ、そうだ。
明日お前何時に出てくんだ?」
「ん、と……起き次第出てく。」
寝間着を出しながら、そう話しかけてくる。
「…だったら俺のが出て行くの早いな。
鍵、ポストに入れといて。」
「…分かった」
「じゃあ、風呂入ってくるから」と、私を見つめることもなくリビングへと消えて行ってしまった。
明るさが無くなった寝室は再び暗闇に包まれて、本当に” 独り ”なんだと思い知る。
…明日…いや、もう今日か。
日が昇れば、千尋はもういない。
私の隣にはいてくれなくて、家だってもちろんここじゃなくて。
今着てる服にも、包まれてる布団にもついた千尋の優しい香りも…
アンタのムカつくほど綺麗な声も、分かりにくいけど確かにあった優しさも…何もかも置いていかなくちゃならない。
『はぐれられたら、迷惑だから。』
そう言って繋いでくれた手。
今物凄く、アンタに触れたくてしょうがないのに。
今、ここにいない。
「ふっ……ううっ」
泣くな。
泣くな。
泣いちゃダメだ。
征十郎が帰ってくるんだよ?
あんたはそれを待ってたんでしょ?
それを望んでたんでしょ?
だったらなんで泣く必要あんの?
『…俺にすればいいのに。』
千尋、千尋………
ねぇ…私達は、これでもう終わっちゃうの?
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美樹菜(プロフ) - 赤司くんと黛先輩が好きなので、こういう小説見れて嬉しいです。これからも頑張ってください。 (2019年1月2日 23時) (レス) id: a4e34be67d (このIDを非表示/違反報告)
黒路 - 結局最後まで自分に甘いだけですね夢主ちゃん。現実にいたら恋愛でも結婚でも長続きしませんね。 (2018年9月18日 7時) (レス) id: fa1a11a816 (このIDを非表示/違反報告)
羅夢(プロフ) - かふぇらぺさん» ありがとうございます!夏休み終わってしまいました...全然更新出来ず申し訳ないです...。 (2018年8月22日 18時) (レス) id: 56b708a054 (このIDを非表示/違反報告)
羅夢(プロフ) - ぴこさん» いつも感想ありがとうございます!!長い間更新出来ずにすみませんでした。 (2018年8月22日 18時) (レス) id: 56b708a054 (このIDを非表示/違反報告)
羅夢(プロフ) - 黒路さん» 黒路さん、初めまして!読んでもらえて嬉しいです。そうはっきり言ってもらえるのとってもタメになります!あがとうございます!! (2018年8月22日 18時) (レス) id: 56b708a054 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:羅夢 | 作成日時:2017年11月5日 14時