Episode.13 ページ14
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「A、数学どうだった?」
数学のテスト返しが終わった後、征が私の席にやって来た。
私は、待ってましたと言わんばかりにニヤニヤしながら答案用紙を取り出した。
「ふふん、今回結構良かったの!見て!92点!!」
「おお、驚いたな。やるじゃないか」
「でしょ!!で、征は?どうせまた満点だったりするの?」
「もちろんだ」
わざわざ私の席に持ってきた答案用紙を机に出す。
赤司征十郎の文字の横には赤インクで大きく100と書かれていた。
「うっわ、まじの満点だ。
え〜、こんなにも賢かったら受験なんて楽勝なんだろうなあ」
「どこ受けるか決めたのか?」
「うん!!看護学校行こうかなって」
「へえ、看護師か」
確かこの時、自分の夢を見つけてそれを話したのが始めてでどこか怖かったんだ。
けど…
「どう、かな?」
「いいと思うよ。お前によく合ってる。」
「ホントに?」
「ああ。じゃあAが受かる様に俺も分かる範囲は教えようかな」
「…征に分からない問題なんてないくせに」
「当然だ。だって…」
俺はお前の彼氏だよ?
___
ザアアア_
雨の音で我に返った。
私の、彼氏…
「ね、ねえ、」
「ん?」
「何で、覚えてるの?」
そんなの…あなたにとって、もう要らない記憶でしょう?
ねえ、だったら…だったらもうさ…
忘れちゃってよ。
「何でって…
忘れるわけないだろう?」
「どう、して…」
「俺にとって、お前との大切な思い出だ」
「…!!!」
ねえ、あなたはどれだけ優しいの?
視界が歪む。
涙が出そうになり咄嗟に俯いた。
「そ、そっか…」
「ああ」
聞いても、いいのかな?
あの頃、話せなかった事も、
今どう思ってくれているのかも、全て。
私が聞いたら、征はちゃんと答えてくれる?
あの頃みたいに曖昧にしない?
ねえ、どうなの??
キキィィィ__
「わっ…!!」
「っと…」
急に前の車が止まり、彼も突然の事にブレーキを踏んだ。
私もその事に驚き、少しの間気がつかなかった。
彼の手が私の前に出てる事に。
私が急ブレーキの衝動で前のめりになるのを防いでくれたんだ。
「…危ないな。
すまない、A。大丈夫か?」
「…大丈夫」
「そうか、良かった」
これ以上、優しくしないで。
お願い。
堪えていた涙が落ちて、引っ込めようとした彼の手に静かに落ちた。
「…A?」
「…、っ」
そうじゃないと、私…自惚れちゃうよ…?
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羅夢(プロフ) - スカビオサさん» あ、ほんとですね!!!ご指摘ありがとうございます助かります! (2017年5月30日 7時) (レス) id: da06b6f43d (このIDを非表示/違反報告)
スカビオサ(プロフ) - 天ノ弱は曲名なので、天の邪鬼だと思います。意図的でしたらすみません。 (2017年5月30日 2時) (レス) id: b80a207be1 (このIDを非表示/違反報告)
あんぽんたんこ(プロフ) - 羅夢さん» お話さっき書きました笑 駄作なんですけど…笑 ありがとうございます´`* (2015年8月3日 20時) (レス) id: 715647ff88 (このIDを非表示/違反報告)
羅夢(プロフ) - あんぽんたんこさん» 赤司君とのお話書いてるんですね♪嬉しい、仲間が出来た感じがします。(*^^*)ぜひ、お友達になりましょう!!! (2015年8月3日 20時) (レス) id: 6d912d8097 (このIDを非表示/違反報告)
あんぽんたんこ(プロフ) - 羅夢さん» はい!´`*自分始めたばっかりで不安がいっぱいで、お友達希望してもいいですか?図々しくすいません。 (2015年8月3日 20時) (レス) id: 715647ff88 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:羅夢 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/novel/soraland2
作成日時:2015年8月3日 14時