【小説】能力者の通う学園【募集企画】

第49話「部屋割りの話」出雲 ページ49

アヤside

どうやら教室の中では

修学旅行の話をしているらしい

誰と回る、とか

部屋割りの話とか

そんな話

「……私、みんなに……挨拶、してない」

お兄ちゃんがきっと、私の紹介もしてくれたと思う

とりあえず教室に入ろうか

ガラ、っとドアを開けると

一斉に静まり返る教室

そして集まる視線

……この感覚は嫌い

「あら、アヤさん。もう大丈夫なの?」

「……大丈夫、です。迷惑、掛けてすみません」

「大丈夫よ。詳しい内容は周りの人か、お兄さんに聞いて頂戴ね?」

分かりました、と小さく呟いた

周りの人はよく分からないから、お兄ちゃんに聞くことにした

「今日は早いなアヤ、」

「うん。どうしてだろう、ね?」

「僕も流石にそこまでは分からないよ。で、修学旅行の話だよね?」

私はこくり、と小さく頷く

行く場所は京都と奈良

確か、京都はお父さんの実家がある場所

それは良いとして……

後は部屋割りの話

……誰と一緒になれば良いんだろう?

お兄ちゃんと一緒なら、1番安心なんだけど……

「……どうしよう、かな」

私は外を眺めながら

誰にも聞こえない様な声で呟いた

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