想い想って、振られてます。【沖田総悟】

討ち入りという名の新婚旅行 ページ4

「……はーい、みんな集まりましたか？」

「…隊長！！藤井がまだっす！！！」

「え、入隊当時マザコン過ぎて毎日泣いてた藤ちゃんがッ！？」

「中野もです」

「え、少女漫画が好きで、この前イベントの為に有休を取った野っちゃんまで！？」


「隊長……可哀想なんで、黒歴史語りながら呼ぶのやめてやって下さい…明らかに苛ついてますよね？」



集まったのは、おにぎりの具は梅よりたらこ派な山ちゃんと、最近美容に気を使うようになった夏くん。田舎に置いてきた犬が心配で、しょうがない黒ちゃん。

あとはめんどくさいので以下略。



今朝、監察方から情報が入った。
敵のアジトを発見したと。

見つけるまで、結構な時間がかかったそうだ。敵は、アジトを転々としているから。
そして明日の深夜、1番隊と7番隊による討ち入りが決定した。1番隊も一緒だし、絶対に大丈夫。



だが……心配な事が一つだけある。
まだ隊士になって日の浅い、黒ちゃん。もとい、黒川樹。不安が表情に現れきっている。




「黒ちゃんは、私と夏くんと一緒に後方を。
そんな暗い顔しないで？大丈夫、私が絶対に7番隊のみんなを守るから！！」



背中を思いきり強く叩く。やべっやり過ぎた！！
水を飲んでいたようで、むせた黒ちゃんの背中を謝りながら撫でた。


「……隊長。僕、頑張ります！！」

「おうっ！！田舎のジョニーも応援してるよ！」

「ジョンです、隊長…」

「……………」







今は、夕刻。今夜は敵陣の側まで移動するらしい。

真選組の隊服が真っ黒なのは、深夜の討ち入りが多いからと聞いたような、聞かないような。



「……討ち入り何日くらいかかりますかね」

「…さぁねィ？とっとと敵叩きのめして、休みが欲しいとこでィ」

「私は沖田隊長の心が欲しいです！」

「……そうかィ。俺もあんたの心臓が欲しいでさァ」
(訳、あんたを殺したい)

「あげますよ！！沖田隊長にならっ！！！」






あれ、そういやちょっと待てよ？
明日討ち入りって事は、何処かに泊まるってこと？
えっそれって…………



「いっやぁっほぉおおいぃ！！！
今日私、隣で寝てもいいですか！！」



「…キモいから、100m圏内に入らないでくだせェ」

「恥ずかしがらないで下さい！まぁ、そんなところも可愛いんですが！！」

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