約束を大切にする人は割と忘れる ページ24
「逃げてるだけじゃ、殺されちゃうヨ?」
「一般市民を守るのが役目なので」
「さっきから、二十分は経つのに呼吸が少しも上がらない。すごいや」
「体力は自信があるので。諦めて下さい、ね?」
「嫌だね。ますます闘いたくなったヨ」
この人やばいよ。
何処までも付いて来る。屋根の上だよ?
運動神経パネェって!!ただの男じゃねぇって!
「分かりました、分かりました。いつか闘いますから!危ないから屋根から降りましょう、ね?」
こう言っておけば、大抵の事はどうにかなるって、銀ちゃんがいつも言ってる。
『いつか払うって!え、先月も言ってた?記念日とか異常に大切にする女は嫌われんだよー知ってる?』
「俺、忘れないからネ?」
「はい、分かりました」
そういう奴は大体が次の日には忘れてんだよな。
それに私達、名前も名乗り合ってないし。
満足したのか、何処かへ消えて行った。もう二度と会わないだろう。
結局、心当たりは当たらなかったな。
ピーンポーンパーンポーン
【迷子のお知らせを致します。江戸からお越しのAちゃん。田舎のおとっつぁんが迷子センターでお待ちです】
迷子の方が迷子センターに行くシステム?
同じ名前の子か。
【田舎のおとっつぁんじゃねェ。田舎のご主人様でさァ。十秒以内に来ねェと殺すぞA………………やめて下さい!!困ります!ってわけで、困ってますAちゃん!!】
「隊長!!十秒は厳しいです!」
迷子センターに行くと(おじさん持ってくの重かった)
色々聞かれたが、お兄さんの事は面倒なので黙っておく事にした。
「てっきり、あんたがあの世で迷子になってんじゃねェかと」
「心配かけてすみません」
「心配なんかしてねェ。これくらいでへばるようなら、真選組卒業してもらいまさァ」
「隊長は?怪我はないですか」
「舐めてんの?殺すよ」
「あはは、今日は殺されかけてばっかりだなぁ」
笑ってみて気付いた。今、なんか不味い事言ったんじゃ……
訂正しようとしたが、その前に何故か掴まれた左腕。
振り返ると何故か抱き締められた。
もう、頭の中ではwhyのpartyが開催されている。
「悪ィ」
そう言って離れた身体。
すごく、暖かかった。すごく、優しい声だった。
やめて。揶揄ってるは分かってる。
だけど、期待してしまう。
叶わない恋だから。
あるはずの無い未来を想像して、絶望するんだ。
「……側に居られたのなら」
人混みに紛れて、消えた声。
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千の歌を歌う人(プロフ) - 十音さん» 返信が遅くなり、すみません!!ご期待に添える自信はあまりないですが、書くのがすごく楽しいので頑張ります!! (2020年2月16日 23時) (レス) id: 88ef43b3c1 (このIDを非表示/違反報告)
十音 - 千の歌を歌う人さん» すごく好きです!(この作品も千さんも)(突然の告白) (2020年1月25日 23時) (レス) id: 29ef4bacad (このIDを非表示/違反報告)
千の歌を歌う人(プロフ) - 十音さん» すごく驚きました。すごく嬉しいです! (2020年1月25日 12時) (レス) id: 1dfb43aa3f (このIDを非表示/違反報告)
十音 - 千の歌を歌う人さん» と思ったら1位だよ!!!!おめでとう!!!! (2020年1月19日 1時) (レス) id: 29ef4bacad (このIDを非表示/違反報告)
十音 - 千の歌を歌う人さん» すごっっっ!!もう去年Aなってるんだよなぁ我。あ、関連作品ランキング2位おめでとう!!!!!! (2020年1月19日 0時) (レス) id: 29ef4bacad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:千の歌を歌う人 | 作成日時:2020年1月1日 1時