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赴任当日。




Aを見送り
鼻歌交じりで出社の準備をした。






2か月前。



幻とまで思った女が
ついさっきまでここに居た。




名前を知り、肌を知り、

それだけで気分が上がるのに間違いはないが







もうひとつ。









最終確認が残っている。









久しぶりの満員電車に

“東京らしさ”を懐かしみながら出社した。



社長室で辞令を貰い、
配属先の部長と各フロアへ挨拶に回った。



先々に会う懐かしい顔とは昔話に花が咲き

役職たちは上海支社での業績に興味を示し


結果


配属されるフロアに辿り着いたのは
正午の30分程前だった。






「みんなー、ちょっといいかー?」


部長の声にフロアが反応した。


「上海支社から移動になった登坂君だ。
 みんな、仲良くしてくれよー!」

「本日付で配属になりました登坂広臣です。
 ご指導よろしくお願いします」


「登坂の席はあそこな」








あ。









みーつけた。









「臣さん!」



その席の近くに居た大学の後輩である岩田が
目をキラキラさながらこちらを見ていた。


指示された席に向かい、
岩田との再会に固い握手を交わした後。



放心状態のAに視線を向けた。



「登坂広臣です。よろしく」

「あ・・・相澤Aです。・・・よろしくお願いします」




数時間前にも聞いたその挨拶。

にやけそうになる頬を堪えるのに必死だった。



「登坂、久しぶり」
「おぉ、美鈴。よろしくな」



後輩の岩田に同期の美鈴。






そして誰より









A。









やっぱり運命だと思ってしまう俺は


単純過ぎるだろうか?












席に着いてすぐ

フロアの女性社員達が変わるがわる挨拶しに来た。



当たり障りのない様に受け答えしながら
Aの様子を伺えば

少しだけ不貞腐れた顔で俺を見て
直ぐに視線を反らした。




なーに、その顔。



・・・夜は、もっといい顔出来んのにね?








まあ、いい。





不貞腐れたその顔ですら

“嬉しい”と感じている自分。







正午の合図とともに席を立ち
美鈴の腕を引っ張りながらフロアを出たA。






隠し切れていないAの動揺に




俺はただただ期待していた。

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設定タグ:三代目 , 登坂広臣 , 岩田剛典   
作品ジャンル:恋愛
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(プロフ) - ユキさん» ありがとうございます^^ライブは、このお話の030での登坂さん風に“ご想像で”です(#^.^#) (2020年1月27日 16時) (レス) id: 7cc216fb7f (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - 空さんのストーリー大好きです三代目perfectyearライブは観に行く予定はありますか?私は京セラ観に行きたいけど倍率凄く高いですね(´;ω;`) (2020年1月27日 12時) (レス) id: 7bd6b3fcc4 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ユキさん» 楽しんで頂ければ幸いです^^ (2020年1月26日 19時) (レス) id: 7cc216fb7f (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - 三代目メンバーのストーリー大好きです(*ゝω・*) (2020年1月26日 17時) (レス) id: 7bd6b3fcc4 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - shireyさん» ありがとうございます(^^♪ (2020年1月26日 13時) (レス) id: 7cc216fb7f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2020年1月18日 10時

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