35 ページ35
．
『…あの研究室の……希望…あ、』
あの研究室の希望…と考えていたが、一つだけ思い浮かぶモノがあった
言ってしまえば、これ以外に思い浮かぶモノがない
思い浮かんだ言葉の羅列を向こうの言葉で打ち込めば、ロックは簡単に外た
「…今、Aさんは何を入れたんですか？」
エミさんも画面を覗き込んでいたが、此方の言語ではないので理解できなかったようだ
……いや、まずこちらの言語でも分からなかったかもしれない
『ワタシの被験者番号だよ。あの研究室で改造される素体は、どれだけ実験が長期間であろうと一回につき一人。だから今までの実験台たちもワタシと同じ番号なんだ。』
これも元々ワタシの記憶として残されていたモノ。あの研究室は、国の最先端の技術が詰められていたにしては財政が逼迫しているデータが残っている
つまり一度に多くの素体を使って実験をするだけの力がなかったのだ
あの研究室で人体実験を称して築かれた屍の全ては成功したワタシと同じ番号であり、ワタシ以外に記憶されることもなく消えてしまったデータの残骸になる
だから、あの研究室でワタシたちの番号は希望だったのだろう
完成された、人間兵器を作るための希望。
……少し意識が逸れてしまったので慌ててロックの外れた画面へと集中すれば、既に色々なページが開いており混沌と化していた
『……これは…』
ゆっくり項目を見ようにも様々な情報が次から次へと流れていき、並外れたデータの海が広がり続けている
「ちょ、Aさん！一人で没頭しないで下さいって、私たちは何が何だか分かりませんよ」
「…うん。Aくんが翻訳してくれな僕らは何が書かれてるかさっぱりやで」
つい自分が読めるからと画面を流れる文字を必死で追っていれば、大先生とエミさんに止められてしまった
『えーっと……これは多分、全部変換してたら年とか世紀単位の話になる…かな、情報量が多すぎる』
流れていた言葉の中から重要そうなものを引っ張りだして変換するだけでも既に目眩がしてしまいそうだ
．
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 104人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
サキア(プロフ) - じゅーちょーさん» 了解しました、承諾します。等の意味で使ってます (2018年6月4日 0時) (
レス) id: 4b79983a16 (このIDを非表示/違反報告)
じゅーちょー - すみません。41の「Si」ってどういう意味なんですか？ (2018年6月3日 22時) (レス) id: 684c66f772 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ルカ | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/c9dc1e2182/
作成日時：2017年9月17日 2時
