41話【花開院家〜】 ページ43
「「…………。」」
『……………。』
四国妖怪との戦いがあった翌日…旅行に行っていた祖母が帰って来た。
良太猫さんと共に奴良君と盃を交わした事や昨夜の出入りについて説明すると沈黙が流れている。
((やっぱり……怒ってる!?))
「………良太猫さん。」
「はい!」
名を呼ばれ緊張気味に返事をする良太猫さんに目を開き真剣な表情で祖母は言った。
「パーティーはいつやるんだい?」
「は?……パーティー…ですか?」
「そうじゃ。Aが立派な大人へと妖怪へと一歩前進した記念すべき日に…もしや何もしないというのか!?」
「い、いえ!もちろん化猫屋で盛大に宴をする予定です……妖怪しかおりませんが参加します?」
「あたりまえじゃあ!!」
怒るどころかお祝いムード全開の祖母に頭を下げ感謝を伝えると満面の笑顔で返してくれた。
今日の夜は化猫屋を貸し切っての宴が待っていると思うと嬉しくて仕方がない。
それは祖母やクロも同じ気持ちのようだ。
「妖怪と酒を飲むなど、こんな貴重な体験そうはできんぞ!」
「クロには特製フードと牛乳(犬用)を用意してやるからな。」
「わん!」
『楽しみですねぇ。』
それから数時間後に私は肉じゃがを届けるため花開院さんが待っている公園に向かっている。
連絡した時に元気がないので気になっていた。
到着すると昨夜の姿のままでベンチに座る花開院さんを発見。
『あらら……元気のないサボり娘を発見♪』
「な!?あんたかてサボってるやんか!それに私は元気や!」
ムキになって叫ぶ花開院さんに先ほど買っておいた飲み物を渡し、隣りに座った。
受け取った彼女は俯き何も話さない。
『電話口では元気がありませんでしたが…何か辛い事でもありましたか?』
「………なあ、篠原さん。私は陰陽師や。」
『!』
そう言った彼女は私の顔を見上げ、ジッと真剣な目で見てくる。
昨夜での事がショックだったのではと思っていたが違うようだ。
「妖怪は絶対【悪】…出会ったら滅するのが私の役目や。」
『……それは…何も悪い事をしていない妖怪もですか?』
「!」
妖怪は悪であり滅する対象である……その言葉を聞いて思いだしたのは父の最期の瞬間だ。
花開院さんは答えられずに再び俯いてしまった。
私は遊ぶ子供たちを見ながら話し続ける。
『とはいえ…悪行を繰り返す者が多い妖怪の世界で見分けるのは難しいですよね。下手したらそれを利用されて殺されかねない。』
「……うん。」
〜続く〜
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SORA(プロフ) - 天井凪さん» こんばんは!今作品は鋼の世界からリボーンではない世界へ転生した場合の話なので残念ながらリボーンのキャラ達はでてきません(;・∀・)ちなみにリクエストがありましたリボーンの番外編を作成中だったりします(゚▽゚)話数の関係でカットとなった話ですが… (2016年6月28日 0時) (レス) id: df83dcc9c9 (このIDを非表示/違反報告)
天井凪 - ぬら孫ではリボーンキャラは出てこないんですか? (2016年6月27日 23時) (レス) id: e8b19dad5d (このIDを非表示/違反報告)
雪月花 舞姫(プロフ) - SORAさん» ありがとうございます!おはあさんですか~。成る程。原作知識無いんですか~。あったらあったで面白そうだなと思って聞きました。原作知識があってもなくてもSORAさんの作品は面白いので今後も期待ですね! (2016年6月9日 23時) (レス) id: 4714cfa3bf (このIDを非表示/違反報告)
SORA(プロフ) - 雪月花 舞姫さん» 毎度ありがとうございます(^^)!今回の名字は私のおばあちゃんの名字をお借りしました。祖母との二人暮らしの設定に決めた時にふと、猫好きだったおばあちゃんを思い出しまして…(。・・。)カエマシタ あと夢主に原作知識はありません( ̄∇ ̄) (2016年6月9日 23時) (レス) id: df83dcc9c9 (このIDを非表示/違反報告)
雪月花 舞姫(プロフ) - 新作おめです!ぬら孫、1ページ目からすでに面白かったです!この世界ではクロームポジションって氷麗なんですね。相変わらず面白いですよ!あ、質問です。名字、前は水野でしたよね?変わった理由が知りたいです。あと、ぬら孫の原作知識ってあるんですか? (2016年6月9日 22時) (レス) id: 4714cfa3bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:SORA | 作成日時:2016年6月9日 18時