【ぬらりひょんの孫】転生・・また転生（女主）

１７話 ページ19

「いらっしゃいませー！！」
「おーい！マタタビカクテルはまだかぁ！？」
「焼き魚も急いで！」
『「あいよ！」』

本日も化猫屋は大忙しだ。
店内からは賑やかな声と店員達の元気な声が響いている。
厨房は次から次へとやってくる注文の品を作り続けており休む暇がない。

(遅刻した分…頑張りますよ！)

ようやく休む事ができたのはピーク時を過ぎた後だった。
休憩室でうつ伏せに倒れていると良太猫さんが勢いよくやって来て私の名を呼んだので力なく手を上げ返事をすると…

「A！いるか！？」
『…は〜い……いますよ〜。』
「そんなとこで寝てる場合じゃねぇ！若がお前の事を探してたぞ！」
『！？』

良太猫さんの話しによれば女の子と共に奴良君が来ており話の流れで…

゛ちょっと聞きてぇんだが…良太猫のとこに若い女の白猫はいるか？゛
゛いますが…なんでまた？゛
゛連れが世話になったんだが…礼を言う前に居なくなっちまってな。゛

連れの女の子もお礼が言いたいという事で良太猫さんは私を呼びに来たそうだ。
残念ながら今の化猫組で若い白猫は私だけなので拒否する事はできない。

「短い間だったが観念するんだな。…つか、若になら別にバレても問題はねぇだろ？」
『そうですけど……あの人に直接関わると面倒に巻き込まれそうな気がしてならないんですよ。』
「何を今更な事言ってんだ。化猫組の恩人が待ってんだ！諦めて行って来い！」
『あたっ！』

叩かれた頭を抑えながら私は良太猫さんと共に２階の座席へとやって来た。
そこには夜の奴良君と家長さんが座り楽しんでいる。
気づいた家長さんは笑顔で私を呼び立ち上がった。

「あ！白猫さん！」
「！」
「こいつはウチの１番の新人の…。」
『Aと言います。』

私が名を名乗ると二人は似た反応を示し同じ事を口にした。

「Aさん？…私の友達にも同じ名前の子がいるんですけど……顔もどこか似てるような？」
「…本人だったりしてな。」
『！』

奴良君は笑みを浮かべながらそう言って隣りに座るよう手招きで伝えてきた。
正直…嫌な予感しかしない。

「さっきは助けてくれてありがとうございました。」
『礼を言われる程のことでは…それに途中で帰りましたし。』
「それでも！」

家長さんは私がお礼の言葉を受け取るまでジッと目を見続けていた。
話が一通り終わると彼女は他の店員達と花札の続きを再開。
良太猫さんは呼ばれその場を去り…奴良君と二人だけになってしまった。




〜続く〜

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