兄の付き添いで行ったらスカウトされた (ページ4)

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「…ねぇ、このおじさん…変だよ？」

「…うん」

ちょっと怖い…。

「A、大丈夫だから。すみません。俺、オーディション落ちたし、妹は女だから無理です。帰ろう」

「うん」

「あら？社長？またお忍びで見学ですか？」

「社長？」

「この人…社長さんなんですか？」

「ええ、そうよ？いつもこの姿でこっそり見学に来るから大変なのよ。あなた達、何か言われた？」

「ジャニーズに入らない？って…俺はともかく、妹にも言ってきたんですけど…」

「え！？社長、何を考えているんですか？」

「僕は素直にスカウトしただけだよ？いいでしょ？」

「はぁ…。空いてる部屋で話して下さい。ごめんなさいね？少し社長に付き合ってあげて？」

「はい…」

「なんで俺達なんだろ？」

よく分からないまま会議室へ通された。

「改めて社長のジャニー喜多川です。名前は？」

「俺はA友哉です。で、こっちが」

「妹のAです」

「友哉君とAちゃんね！うん！いいね！」

「何がいいんだろ？」

「分かんない…」

「あの…スカウトって事は俺、ジャニーズに入れるって捉えていいんでしょうか？」

「もちろん。ちなみにJr.からじゃないよ？」

「え？」

「…Jr.からじゃないってどういう事ですか？」

「友哉君はソロで活躍している子と組んでもらうよ。ま、形だけだけど、基本的に一人行動が多くなるけど」

「ええ？でも…」

「大丈夫！あの子は面倒見がいいから！それでAちゃん、Youはどう？入ってみる？」

私、できるのかな…。

怖い…。

「A…。あの、妹は病院に通院しているんです。ちょっとジャニーズには…」

「そうなの？そっか…。色々あったのかな？でも大丈夫だよ。Aちゃんにはグループに入ってもらおうって思っているんだけど、メンバーは優しいから」

「グループ…？」

「うん。どうかな？」

「…女が入って大丈夫なんですか…？」

「あ、もしかして事務所に対していいイメージ持ってない？あんなの噓だから平気！ここにいるメンバーは皆優しいし歓迎してくれる。僕が保証するよ」

「…分かりました」

「決まりだね」

「あの…どこのグループですか？」

「嵐だよ」

嵐ってあの？

どうしよう…。断れば良かった。