【刀剣乱舞】霊力循環異常症候群Ⅱ型専門医助手 (ページ11)

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この患者の症状はそれほど命に関わる重大性はないし、何度めかの診察なのもあって、最近は基本的に問診と簡単な切診だけだ。

　両方とも通吉仕事だから、正直、暇だ。

　ここの審神者は、泡沫のように触れたら消えてしまいそうな儚げな顔をしている。

　色で言えば、聴色のような、淡い桃色。

　そんな彼女には、鮮やかな水色の髪や金色の瞳は、左右で均衡のとれていないラウンド・ブリリアント・カットのダイアモンドのようだった。

　美しいのに、どこかちぐはぐで、不恰好。

　それが彼女に対して私が抱いた印象だった。

　「主、ここにおられたのですね。探しましたぞ。

　歌仙殿と小豆殿が菓子を作ってくれましたので一緒に……」

　不意に、近侍の刀剣男士が現れた。

　一期一振。

　彼女の外見へ影響を及ぼしたのも、彼だ。

　「おや、通吉殿に、A殿。来ていらしたのですか。これは失礼を。今すぐ茶を持って参ります」

　「おお、一期一振か。久しいな」

通吉が一期一振のほうを向く。

　「茶は大丈夫だ。今日はすぐ帰る。

　それよりも、そこの奴が暇してるようでな。ちょっと相手してやってくれ」

悪戯っぽく通吉が笑うと、一期一振も笑って言った。

「弟を世話するのと、同じようなもんです」

　一期一振と通吉はよくこうやって私をからかう。

　そのときの二人は、まるで兄弟のように息ぴったりだった。