第193話 果たされた約束 ページ45
久しぶりの外の空気は冷たくて、風を切るだけで少し体が痛んだ。時折、マイキーが自分のお腹に回る私の手をさすって「大丈夫か?」と心配してくれた。私は返事の代わりに、ギュッとマイキーのお腹に回す手に力を入れる。
対面するのは……あの時以来か……ちょっと怖いけど……会って話をしなきゃ……。
『…………イザナ…』
万次郎「…………」
どれくらいバイクを走らせていたかはわからないが、潮の匂いが鼻をつき、私は閉じていた目を開ける。それからしばらくして、バイクの動きが止まり、「着いたぞ」というマイキーの声が聞こえた。
マイキーは私のヘルメットを取って、私の事を抱き抱えて、バイクから降ろしてくれた。「行くぞ」と私を支えながら歩こうとするマイキーの腕を掴んで、「大丈夫。自分一人で歩けるよ」と告げる。
万次郎「無理すんなって言ったろ」
『本当に大丈夫だから……ちゃんと…マイキーの後ろ…ついて行く』
心配そうに眉間に皺を寄せて私を見下ろすマイキーに、「私を信じて」と言えば、マイキーは「わかった」と私から離れて、私の前を歩き出した。
私は……マイキーのお荷物じゃない……足枷じゃない……それを相手に見せつけてやらなければならない……だからお願い……この戦いが終わるまで…もって……私の体……。
背筋を伸ばして、なるべくいつものように振舞って、私はマイキーの数歩後ろを下がって歩く。まっすぐ前を向いて歩いていくと、群衆の間からイザナと対峙するタケミっちの姿が見えた。
キミと初めて会った日も、ボロボロだったね……タケミっち……あれが…全ての始まりだったんだね……。
今まさにイザナに殴りかかろうとするタケミっちは、マイキーの姿に気がついたのか、動きを止めて、ゆっくり拳をあげた。
花垣「オレ…負けなかったっスよ……」
黒川「は?何を言ってる?」
花垣「総長!!!」
万次郎「ありがとう、タケミっち」
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れ(プロフ) - だいすきです (2021年8月17日 0時) (レス) id: 4a740cc430 (このIDを非表示/違反報告)
ハイジ - 泣いちゃいました。 (2021年8月14日 21時) (レス) id: 9aaf42bc91 (このIDを非表示/違反報告)
セシル(プロフ) - スズさん» お恥ずかしい話、私も泣きそうになりながら書いてました…感動していただけてとても嬉しいです! (2021年8月14日 3時) (レス) id: 7fa00bc5ae (このIDを非表示/違反報告)
セシル(プロフ) - 沙希さん» ありがとうございます!! (2021年8月14日 3時) (レス) id: 7fa00bc5ae (このIDを非表示/違反報告)
スズ(プロフ) - やばいです、187.188話感動して泣きました( ; ; ) (2021年8月10日 7時) (レス) id: 50e31b744f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:セシル | 作成日時:2021年7月17日 14時